労災申請・認定の件数が過去最多

AI要約

昨年度、労災申請件数と認定件数が過去最多となったことが明らかになった。

脳や心臓の病気、精神疾患、自殺などの労災認定では、過労やストレスが主な要因とされた。

申請件数の増加は、55歳以上の労働者の増加や社会全体でのストレスによる影響が考えられる。

長時間労働やパワハラによるストレスなどで、心臓や脳の病気やうつ病などになったり、死亡や自殺したりした場合、労災が申請できますが、昨年度の申請件数、実際に労災と認められた件数、ともに過去最多だったことがわかりました。

厚生労働省によりますと、昨年度、脳や心臓の病気や精神疾患、自殺などについて、業務上の過労やストレスによるものだとして、本人や遺族から労災が申請されたのは、4598件で前の年度より1112件増え、過去最多でした。

一方、昨年度労働基準監督署によって労災と認められ、労災保険給付を支払うと決まったのは1097件で、前の年度より193件増え、過去最多です。このうち自殺を含む死亡と自殺未遂はあわせて135件でした。

脳や心臓の病気での労災認定は、道路貨物運送業が最も多く、年代では50代が最も多く、精神疾患での労災認定は、医療・福祉業が非常に多く、年代では40代が最も多くなりました。精神疾患で労災と認定された例で、背景にある出来事を分類すると、最も多かったのはパワハラ、次が仕事上、悲惨な事故・災害の経験や目撃、セクハラの順に多くなっています。

過労やストレスによる労災の申請や決定が過去最多だったことについて、厚生労働省の担当者は、「脳や心臓の病気については、55歳以上の労働者が増えたことが関係していると考えられる。また精神疾患については、過労死やパワハラへの認識、理解が進んだため、申請が増えたのではないか」と説明しています。