医療NPO小型機墜落、低高度修正できず衝突の可能性…運輸安全委が調査報告書

AI要約

2022年3月、沖縄県伊江島空港で起きた小型機墜落事故の調査報告書が公表された。乗員2人が死亡し、高度が低くなり滑走路に衝突した可能性が指摘された。

事故はNPO法人が運用する小型機の離着陸訓練中に発生。機長の操縦操作が影響した可能性が指摘された。

報告書では、機長が伊江島空港での着陸経験がなく、不慣れな操作や環境の影響が事故原因の一因とされている。

 沖縄県伊江村の伊江島空港で2022年3月、離島などの患者搬送を担うNPO法人の小型機が墜落し、乗員2人が死亡した事故で、国の運輸安全委員会は27日、調査報告書を公表した。滑走路への進入時の高度が低く、修正できずにフェンスなどに衝突した可能性が考えられるとした。高度が低くなった理由は特定できなかった。

 事故は、NPO法人「メッシュ・サポート」(那覇市)が運用する小型機の離着陸訓練中に発生。機長の男性(当時61歳)と、法人の男性(同73歳)が搭乗していた。

 報告書では、小型機は通常よりも約10メートル低い高度で滑走路への進入経路に入り、高さ1・8メートルのフェンスに衝突したと考えられると指摘した。機長は、伊江島空港での着陸経験がなく、同型式機の飛行はこの日が2回目だった。

 高度が低かった理由について、滑走路手前が上り勾配で高度を正しく把握できず、不慣れな操作により上昇が遅れた可能性などを挙げた。ただ、機体は炎上して損傷が激しく、飛行記録装置が搭載されていなかったため、機体に何らかの不具合が発生した可能性もあり、「明らかにできなかった」としている。