富士山山頂で3人死亡 山小屋閉鎖、残雪…閉山中の登山の危険性 山梨県側の八合目付近で意識失い死亡したプロクライマーは病死か

AI要約

山開き前の富士山で、心肺停止の状態で発見された3人とプロクライマーの死亡が確認された。倉上さんは心臓に持病があり、病死の可能性が高いとみられている。捜索隊が山頂の火口付近で3人を発見し、発信機を持っていた男性が行方不明だったことが判明。

登山道の解除が始まった富士山で、26日に門が閉まっている状況で倉上さんの意識喪失が発生。公式サイトでは危険性を警告しており、気温差も20℃という厳しい状況だった。

山小屋の開業を控えた時期にも関わらず、登山者は自己責任で危険区間を無視する傾向があり、低体温症などのリスクが高まっていた。

富士山山頂で3人死亡 山小屋閉鎖、残雪…閉山中の登山の危険性 山梨県側の八合目付近で意識失い死亡したプロクライマーは病死か

7月に山開きを控えた富士山で、3人が心肺停止の状態で発見され、その後死亡が確認された。3人が発見された場所は、富士山山頂の火口付近だった。さらに、山梨県側の八合目付近で26日、プロクライマーの倉上慶大さん(38)が登山中に意識を失い、搬送先の病院で死亡が確認された。倉上さんは心臓に持病があり、警察は病死の可能性が高いとみて調べている。

26日午後2時ごろに富士山頂を撮影した映像。雪が残る火口付近で、捜索隊とみられる人々が担架のような物を運び出していた。登山客とみられる3人を心肺停止状態で発見し、さきほど死亡が確認された。

山開き前の富士山で何が起きたのか。警察によると、3人は静岡県側の火口付近でそれぞれ離れた状態で発見されたという。

捜索のきっかけは、23日に出された行方不明者届だった。東京都内に住む53歳の男性は、21日夜、家族に「富士山に行く」と告げて外出。その後、山頂で撮影したとみられる写真を送ったのを最後に連絡が取れなくなった。下山予定だった翌日になっても帰宅せず、家族が警察に届けていた。発見された3人のうち1人は、行方不明だった53歳の男性だったことが明らかになった。

警察は、男性が発信機を持っていたとみられるとしている。5合目の東富士山荘の米山千晴さんは、発信機のレンタル会社とみられる人が訪ねてきたと話す。

「日曜日(23日)の朝、暴雨風の中、一人の方が訪ねてきた。その方が家族から相談を受けて車を捜しに来たら須走口の駐車場にあった。その方は発信機のレンタル会社のような方で、それを『本人がつけて登っている』と。『その受信機も持ってきている』ということだった」

26日、登山道の一部の区間が解除された富士山。しかし山頂まで解除される本格的な山開きは7月1日(※静岡県側は7月10日)のため、26日は登山口の門は閉まっていた。

富士山の公式サイトでは、山開き前の登山について「積雪などにより危険」としている。現地でも「積雪のため通行止」「凍結」と、登山者に向けた警告があったが、周辺の人に話を聞くと、自己責任で封鎖されている登山口の脇から登山を始めていくという方が多くいるという。

24日から26日までの山頂の最高気温はすべて10℃を下回っている。一方、麓の静岡・御殿場市ではすべて30℃近く。山頂と麓では約20℃の気温差がある。

富士山の8合目の山小屋で営業を始める準備をしていた、表富士宮口登山組合の池田裕之さんは、山開き前の富士山登山の危険をこう話す。

「雨風しのげるところがない、小屋が開いていないということは。そうすると低体温症がすごく考えられる。寒くて震えてという感じ。誰かに知らせようと思っても、携帯電話が開山前だとつながらなかったりする」