電気代1割補助を軸に政府調整 「酷暑」理由に首相が再開打ち出す

AI要約

政府は、再開する電気代の負担軽減策について1キロワット時あたり3.5円を補助する案を検討中であり、ガス代の補助も調整を進めている。

電気・ガス代の補助は、ロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料価格の高騰を受け、2023年1月から続いており、与党と協議して負担軽減規模を検討している。

首相は再選を目指す「ばらまき政策」の指摘を受けながらも、夏場の緊急対応として電気・ガス代への支援を行い、財源に予備費を充てる方針を示している。

電気代1割補助を軸に政府調整 「酷暑」理由に首相が再開打ち出す

 政府は、8~10月に再開する電気代の負担軽減策について、1キロワット時あたり3.5円を補助する案を軸に調整に入った。家庭向け電気料金のうち1割程度の補助を想定する。ガス代の補助額も与党と調整を進め、月内にも決定する方針だ。

 電気・ガス代の補助は、ロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料価格の高騰を受けて、2023年1月使用分から続いてきた。政府は高騰が一服したと判断し、今年5月使用分でいったん終了したが、岸田文雄首相は21日の記者会見で「酷暑乗り切り緊急支援」として再開を打ち出した。

 政府は、与党とも協議して負担軽減規模を検討。1キロワット時あたり3.5円の電気代の補助は4月までと同水準で、政府が標準世帯の使用量として示す400キロワット時の場合、月1400円程度の負担軽減になる。ガスの補助額についても4月と同水準の1立方メートルあたり15円を軸に調整している。

 首相は25日、首相官邸で公明党の山口那津男代表と会談。電気・ガス代への支援のほか、ガソリン代補助も年内いっぱい継続する方針を伝え、財源に予備費を充てる考えを示した。政府は24年度予算に計上した一般予備費と物価高対応などへの予備費をあわせ、約2兆円を確保している。

 与党側が週内に考えをまとめ、政府側と早期の合意を目指す。秋に自民党総裁選が控える中、再選を目指す首相の「ばらまき政策」との指摘も一部にある。山口氏は会談後、「夏場の緊急対応であり、総裁選とは関係ない」と記者団に述べた。(西村圭史、鬼原民幸)