「偽広告」抑止へSNS事業者に審査強化要請…詐欺急増、政府が官民一体の総合対策決定

AI要約

政府がSNS上での投資詐欺対策を強化。メタやLINEなどSNS事業者に広告審査強化を要請。ロマンス詐欺対策も着手。

年々増加する詐欺被害に対し、広告審査の基準策定や強化、本人確認の厳格化など総合対策を打ち出す。

2003年に設立された犯罪対策閣僚会議が39回目の開催。治安悪化に対処するための取り組みが続く。

 SNS上で著名人になりすます投資詐欺などの急増を受け、政府は18日午前、犯罪対策閣僚会議を開き、省庁横断の総合対策を決定した。SNS型投資詐欺では、偽広告が被害の入り口となっており、フェイスブック(FB)を運営する「メタ」などのSNS事業者に掲載広告の審査強化を要請するなど、官民一体で被害の抑止を図る考えだ。

 岸田首相は会議で「国民を詐欺から守るため、強い決意を持って取り組みを徹底してほしい」と述べた。

 警察庁によると、昨年の詐欺被害額は約1630億円で前年から倍増した。SNS型投資詐欺の今年1~4月の被害額は約334億円で、昨年1年間の約278億円を上回った。

 対策では、SNS事業者に広告の審査基準の策定や公表を要請。日本語や日本の法令を理解する人材を十分配置した審査体制の整備や、広告出稿者の本人確認の強化を求める。詐欺に悪用された広告については迅速な削除も要請する。利用者が限定されたグループチャットに誘導されてだまされる被害が目立つため、誘導設定の広告は原則として採用しないことも求める。

 要請先はメタのほかLINEを運営するLINEヤフーなどを想定している。

 一方、恋愛感情を抱かせて金をだまし取る「ロマンス詐欺」の被害も深刻で、主な接触手段のマッチングアプリの事業者に対し、アカウント開設時の本人確認の厳格化も求める。

 このほか、特殊詐欺などの対策として、携帯電話契約を結ぶ際の本人確認手段をマイナンバーカードに原則一本化する。偽造されたマイナンバーカードが不正契約に悪用されており、ICチップ情報を読み取る電子的な確認方法を推進する。

 同会議は治安悪化に対処するため2003年に設置され、今回が39回目となる。