YOSHIKIのマネージャー、カダフィ大佐の娘...複雑化する国際ロマンス詐欺「驚愕の最新手口」

AI要約

林容疑者が、「リビアの元最高指導者の娘」を騙る手口で詐欺を働いていたことが明らかになった。

林容疑者はカダフィ大佐の娘になりすまし、現金190万円を騙し取った後、YOSHIKIのマネージャーを装い女性からも現金200万円をだまし取っていた。

林容疑者はロマンス詐欺グループの一員であり、SNS上で被害者を騙し取る手口が複雑化しており、昨年度の国際ロマンス詐欺被害額は177億円を超えている。

YOSHIKIのマネージャー、カダフィ大佐の娘...複雑化する国際ロマンス詐欺「驚愕の最新手口」

ついに「リビアの元最高指導者の娘」を騙る者まで出てきた。

’11年に内戦で殺害されたカダフィ大佐の娘になりすまし、静岡県内の60代男性から現金190万円を詐取したとして、大阪府富田林市在住の無職・林由利子容疑者(57)が大阪府警吹田署に逮捕された。

「実はこの林容疑者、5月10日にも詐欺容疑で逮捕されており、今回で2度目の逮捕となっています。ちなみに前回は『X JAPAN』のYOSHIKIのマネージャーになりすまして、大阪府吹田市に住む女性から現金200万円を詐取していました。〈YOSHIKIと海外旅行するためにパスポートや渡航費用が必要〉などと被害者にメッセージを送り、現金を振り込ませたのです」(全国紙社会部記者)

ロックスターであるYOSHIKIならまだしも、今回はカダフィ大佐の娘というマニアックな設定。林容疑者はどんな手口でカネを騙し取ったのか。

「今年2~3月ごろ、カダフィの娘であるアイシャ・カダフィのSNSを作り、そこから被害者に〈現在、オマーンに逃亡しています。私の家族は国連の標的になっていて、父の遺産全てが奪われそうなのです。私の申し出を受け入れて頂ければ、遺産の一部を差し上げます〉というメッセージを送信。〈あなたに連絡したのは、日本で新たな生活をあなたと始めるため〉〈(大佐の)遺産である1200万ドルを運搬するために保証金がいる〉などと説明し、男性に恋愛感情を抱かせていました」(同前)

林容疑者は警察の調べに対し、「YOSHIKIさんから『仕事を手伝ってほしい』というメッセージを受け取り、指示されてやっただけ。私は(YOSHIKIの)口座を管理する役目を担っていた」等と供述をして、容疑を否認している。

「実は林容疑者のバックにロマンス詐欺グループがいたのです。昨年、SNS上で知り合ったYOSHIKIと名乗る人物を本人と信じており、利用されていたのです。林容疑者は被害者から巻き上げたカネを別の口座に移すマネーロンダリング役。23もの銀行口座を管理しており、そこを通じてロマンス詐欺グループに詐取したカネを渡していた。林容疑者には一回あたり数万円の報酬がロマンス詐欺グループから支払われていました」(捜査関係者)

ロマンス詐欺といえば、軍人や外交官、国連職員などになりすまし、過酷な環境下で働いていることをアピールする手口が主流だった。

「カダフィ大佐の娘という実在の人物を使ったのは、カネを毟り取るためのストーリーを考える手間が省けるから。架空の人物とストーリーを作り上げるより楽なんです」(同前)

林容疑者はあくまでも末端。「捜査の手が本丸に届かないよう、ロマンス詐欺グループの手口が複雑化している」と前出の捜査関係者は続ける。

「林容疑者は被害者でもある。わずかな報酬でいいように使われ、逮捕されているわけですからね。林容疑者とロマンス詐欺グループはSNS以外に接点がなく、お互いのことは何ひとつ知らない。ロマンス詐欺グループはターゲットもマネロン役もSNSで探しています。特殊詐欺グループの受け子や実行役と同じく、自らは直接手を下さないのです。わずかな報酬で雇い、危険が迫ればすぐに切り捨てて、新たなカモを探す。接点がSNSだけだと捜査も難航しますから」

昨年度の国際ロマンス詐欺の被害額は、わかっているだけでも177億円を超えるという――。