電子マネーカード、本物と一緒に偽物も陳列…詐欺被害防止へ長野県のコンビニ

AI要約

長野県警千曲署が電子マネーカード詐欺被害防止の取り組みを開始。偽物の電子マネーカードを店に並べて購入者に注意促す。

詐欺被害はウイルス除去費用や未納料金の支払いを要求する手法が多く、電子マネーカードを購入させる被害が後を絶たない。

千曲署が偽カードを店舗に配布し、店員と客が鑑別しやすくする取り組みが行われている。

 コンビニエンスストアなどで販売されている電子マネーカードを用いた詐欺被害を防止するため、長野県警千曲署などは、偽物の電子マネーカードを店に並べてもらい、購入者に注意を促す取り組みを開始した。5月下旬から千曲署管内のコンビニで設置を始め、6店舗に広がっている。

 県内では、ウイルス除去費用や有料サイトの未納料金の支払いが必要だと伝え、ネット通販や音楽サイトなどの電子マネーカードを購入させる詐欺被害が後を絶たない。そこで千曲署は、同カードに模した「ウイルス感染除去専用」と「有料サイト未納料金お支払い専用」の2種類を作成。コンビニ店で本物と一緒に陳列してもらうこととした。

 実際には存在しないカードを選ぶ知識不足の客がいたら、それは詐欺被害者なのではないか――。偽カードの会計を求められた際に、店員が確認しやすくする仕組みだ。

 千曲市中(なか)のローソン更埴埴生(こうしょくはにゅう)店では10日、村沢健一・千曲署長が店長の竹内洋一さん(44)に偽カードを手渡した。「コンビニ店員のみなさんの協力を得ながら、地域で被害を減らしていければ」と村沢署長。偽カードを店内に並べた竹内さんは「店員がお声かけしやすい上、お客さまも被害を認知しやすくなるだろう」と期待した。

 県警によると、4月末時点で、こうした電子マネーカードなどによる詐欺被害の総額は、約1300万円(15件)と、前年同期比で倍増している。県警では、カード購入時に客に確認してもらうチェックシートを配布するなどしており、今後も被害防止に力を入れる方針だ。