「西成の防災を考える」講習会 能登半島地震を教訓に飛田で防災を学ぶ

AI要約

大阪市西成区のNPO法人が大阪経済大学の学生を対象に防災講習会を実施

講習会では能登半島地震でのボランティア活動の報告や防災に関する指導が行われた

学生たちは積極的に学び、地域の防災活動への参加意欲を高めた

「西成の防災を考える」講習会 能登半島地震を教訓に飛田で防災を学ぶ

能登半島地震を通じて防災への取り組みを考えようとNPO法人「大阪災害ボランティア」(大阪市西成区)が8日、大阪経済大学(同市東淀川区)人間科学部の学生29人を招いて「西成の防災を考える」と題した講習会を行った。

この会は同大の志垣智子講師と同法人の協力で実現した。会場となったのは西成区の永信防災会館。

講習会の冒頭、NPO法人の徳山邦浩理事長が「災害救援は若い力が一番大切。みなさんがしっかり学んでほしい」とあいさつした。

さらに1月に発生した能登半島地震でのボランティア活動のビデオを流して、支援活動の状況を報告した。

ボランティアに参加したメンバーが「被災した人たちを助けに行ったつもりだったが、私が勇気づけられた」、「ありがとう、おいしかった、という言葉が一番うれしかった」と感想を話した。さらに「物資を補給する支援部隊が大切」、「水などの飲料は重たいので持っていく量を考えて」などとアドバイス、学生たちは真剣な表情で聞き入っていた。

講習会ではキューバサンドの実演も行われ、学生たちも調理に参加した。できあがったキューバサンドを試食した学生たちは「おいしい」と笑顔を見せていた。

西成地区の防災について同法人の、木村忠彦さんは「西成区は生活保護世帯が多く、災害に弱い地域。災害関連死を減らす努力を続けていきたい。みなさんは次代を築いていく力。しっかり学んで困った人たちを助けてほしい」と話していた。

講習会に参加した同大3回生の田村奏人さんは「ニュースでは分からないことが理解できた。西成はウェブでのイメージとは違って、町のために一生懸命に取り組む人が多いと感じた」と話していた。

志垣講師は「大学で『いのちを守るまちづくり』の授業を行っている。西成は災害リスクの高い地域。防災・減災に貢献して関連死を減らすなど社会貢献に役立てたい」と話していた。

講習会を終えた学生たちは、大正の終わりから昭和初めにかけて遊郭として建築された建物を、今に伝える登録有形文化財の食事処「鯛よし百番」などを見学して帰途についた。