馳知事、復興相の被災地「集約化」発言に「能登には能登のやり方で」

AI要約

石川県の馳浩知事は、能登半島地震の被災地の復興において集約化の必要性について疑問を呈しました。

馳知事は、集約化にはコンパクトシティーではなく、地域の自然環境やコミュニティーを守る姿が必要だとの考えを示しました。

地域の存続を考えながら技術革新を活用し、能登的な集約されたやり方を模索する必要性を説いています。

馳知事、復興相の被災地「集約化」発言に「能登には能登のやり方で」

 石川県の馳浩知事は7日、能登半島地震の被災地の復興のあり方をめぐり、土屋品子復興相が集約化の必要性に触れたことについて、「もしかしたら大都会的な発想かなあ」などと述べた。

 土屋復興相は5日の被災地視察後、記者団に「できる限り、住民と話をしながらの集約化はしていかないと」と発言。無理な集約化は、かえって住民の心が能登から離れることがあると懸念も示した。

 また、県が先月まとめた創造的復興のプランで、集約化の考え方について触れられなかったことも念頭に、「人口も減っていくし、地方自治の財政面でも相当厳しいものがある。そういう(集約化の議論に)協力していただく姿勢を、首長さんも訴えていく必要があるのかなと思った」と述べた。

 集約化をめぐっては、財務相の諮問機関の「集約的なまちづくりも検討していく必要がある」との提言に、馳知事は「(復興に)冷や水をぶっかけられた」と反発したが、その後は「(諮問機関の)役割もわかる」「当然だ」などとトーンダウン。先月まとめた県の復興プランにも集約化は触れられなかった。

 この日、馳知事は「集約化という意味をどういう風に表現したらいいのかなと思うが、いわゆるコンパクトシティーを集約化というのならば、私の頭の中にはあんまりない」と説明。続けて、「そうではなく、分散型であったとしても、自然環境やコミュニティー、孤立集落を守る姿は必要だと思っている」と述べた。

 知事は「全く人がコンパクト化、集約化され、人が住まないとなったら、荒れ放題になる。それは違うのでは」と指摘。道路は基本的には原状復旧が原則としたうえで、通信や上下水道の復旧については、技術革新を利用して効率的に進める余地はあるとした。

 そうした技術革新も活用しながら、「能登全域に分散された集落が点在するといった形を維持しながら、存続していかないと。能登には能登的な集約されたやり方があるのかなあと。あんまり上から目線(の議論)ではなくて」とまとめた。(土井良典)