鹿児島県警「本部長が不祥事隠蔽」主張の前部長、漏えい文書に前刑事部長の連絡先を同封

AI要約

鹿児島県警の元生活安全部長が内部文書を漏洩し逮捕された事件で、逮捕理由や容疑内容が明らかになっている。

本疑者は、元同僚の捜査結果をライターに送付し、秘密を漏らした疑いが持たれている。

本疑者は容疑を認めつつ、上司の隠蔽行為に抗議したと主張している。

捜査関係者によると、送付された文書には元刑事部長の個人情報が含まれていた。

警察庁はこの事件について監察を行い、県警に対する対応を検討するとしている。

逮捕された本疑者が勾留取り消しを求めたが却下され、地裁に準抗告する方針を表明している。

 警察の内部文書を外部に漏えいしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで鹿児島県警の前生活安全部長・本田尚志容疑者(60)が逮捕された事件で、本田容疑者が郵送した文書の中に、3月に退職した県警前刑事部長の氏名や住所が同封されていたことが6日、捜査関係者への取材でわかった。

 鹿児島簡裁で5日に開かれた勾留理由開示の法廷で明らかになった勾留理由によると、本田容疑者は県警を退職した直後の3月28日頃、札幌市在住のライターに県警が捜査した県警霧島署員によるストーカー容疑事案の処理結果を印字した書面を郵送し、職務上知り得た秘密を漏らした疑い。

 本田容疑者は容疑を認め、「県警職員が行った犯罪行為を、野川明輝本部長が隠蔽(いんぺい)しようとしたことが許せなかった」などと主張。県内の女子トイレで盗撮したとして5月に逮捕された県警枕崎署員の事案に触れ、野川本部長から「最後のチャンスをやろう」「泳がせよう」と言われ、「本部長指揮の印鑑を押さなかった」と述べた。

 捜査関係者などによると、本田容疑者が郵送した封筒には、差出人の名前の記載はなかった。しかし、同封した文書には問い合わせ先として、県警の前刑事部長の氏名や住所、電話番号が記載されていたという。

 警察庁の露木康浩長官は6日の定例記者会見で、「県警からは必要な対応がとられていたと報告を受けている」と述べた上で、「捜査結果を踏まえ、県警に対して必要な監察を実施する」との考えを示した。

 野川本部長は6日夕、県警本部で報道陣に対し、本田容疑者の主張について「事件捜査の中で必要な確認を行っていく」と述べた。

 鹿児島簡裁は6日までに、本田容疑者側の勾留取り消し請求を却下した。本田容疑者側は6日、鹿児島地裁に勾留取り消しを求める準抗告を申し立てる方針を明らかにした。