鹿児島県警に監察実施へ 警察庁長官「前部長の主張、捜査で確認」

AI要約

鹿児島県警の前生活安全部長らが情報漏洩の容疑で相次いで逮捕された事件について、警察庁が重く受け止め、同県警に対する監察を行う考えを示した。

前生安部長は退職後に警察官の個人情報を漏らし、隠蔽された事件を報じるために報道機関に文書を送ったと述べた。警察庁は事案を真剣に捉え、適切な対応が取られたことを説明した。

別の時に捜査情報を外部に漏らした警察官の逮捕や、様々な不祥事について調査が進められていることが報じられている。

鹿児島県警に監察実施へ 警察庁長官「前部長の主張、捜査で確認」

 情報を漏らしたなどとして鹿児島県警の前生活安全部長らが相次いで逮捕された事件について、警察庁の露木康浩長官は6日の定例記者会見で、「警察庁としても重く受け止めている」として、県警による捜査や調査の結果を踏まえ、同県警に対する監察を実施する考えを示した。

 県警は、警察官らの個人情報が記された文書を退職後の今年3月に第三者に漏らしたとして前生安部長の本田尚志容疑者(60)を国家公務員法違反(守秘義務違反)容疑で逮捕。本田容疑者は5日の勾留理由開示手続きで、警察官による盗撮事件や別の犯罪行為を県警本部長が隠蔽(いんぺい)しようとしたことがあった、などと主張。そのため「不祥事をまとめた文書」を記者に送ったと話した。

 露木長官は「勾留理由開示手続きの中で述べられた二つの事案については容疑者を逮捕するなど、いずれも必要な対応が取られた」と説明。「容疑者の主張については捜査の中で必要な確認が行われていく」と述べた。

 本田容疑者の逮捕容疑について露木長官は、同県警の他の部長の名前や住所、電話番号などを問い合わせ先として記載した上で、ストーカー規制法違反事件の被害女性の名前などを漏らした疑いがある、と説明した。

 県警では、曽於署の巡査長(49)が捜査情報を外部に漏らしたとして4月に地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで逮捕された。他にも、4月以降、現職の警察官が相次いで逮捕されている。(編集委員・吉田伸八)