中国の習氏、アラブの指導者らと今週会談-中東での影響力拡大狙う

AI要約

中国の習近平国家主席は、中東諸国の指導者との会談を行い、関係強化を目指す「中国・アラブ諸国協力フォーラム」が開催される。

協議の焦点は、貿易、投資、地域の安全保障などにあり、中国はパレスチナ問題におけるアラブ諸国への支持を表明している。

中国と中東諸国の経済的連携が深まり、投資が活発化する中、2030年までの世界のエネルギー関連貿易に対する見通しも高まっている。

(ブルームバーグ): 中国の習近平国家主席は今週、アラブの指導者たちと会談し、中東との関係強化を目指す。北京で開かれる「中国・アラブ諸国協力フォーラム」にはエジプトやアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、チュニジアの首脳らが出席するほか、習主席が30日に演説する。

協議の焦点は、急速に伸びる貿易と投資に加え、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦争に直面する地域の安全保障を巡る懸念となる見込みだ。

パレスチナ自治区ガザでの紛争では、バイデン米政権がイスラエルを支援する一方、中国はアラブ諸国と歩調を合わせ、即時停戦とパレスチナの国家承認を支持している。

アラブでは多くの国がつい最近まで中国を経済的なパートナーとしてしか見ていなかったが、こうした連携は中国が政治的影響力を拡大し、米国との勢力争いの中で新たな協力関係を構築するのに寄与している。

習主席は2022年12月にサウジアラビアを訪問。両国にとって大きな出来事で、中国は昨年、サウジとイランの関係改善に向け仲介役を果たした。こうした緊張緩和はガザ紛争の中でも維持されているほか、中国と中東の間で投資が加速する兆しもある。

中国の大手パソコンメーカー、聯想集団(レノボ・グループ)は29日、サウジアラビアの政府系ファンド(SWF)に20億ドル(約3150億円)相当のゼロクーポン転換社債を発行するとともに、サウジに研究・生産施設を建設する契約を結んだと発表した。

中国レノボ、20億ドル相当の転換社債発行へ-サウジSWFに

国営石油会社のサウジアラムコは、中国の石油化学会社、恒力石化の株式15億ドル相当を購入する交渉を進めており、中国自動車メーカーの第一汽車集団(FAWグループ)は、エジプトで電気自動車(EV)を製造しようとしている。

UBSのアナリストは、中国と中東の結び付きが強まれば、2030年までに世界のエネルギー関連貿易に4000億ドル以上のプラスになると予測している。