FRBは意思疎通改善のための方策検討を-クリーブランド連銀総裁

AI要約

米クリーブランド連銀のメスター総裁は、金融政策決定に影響する経済情勢についてコミュニケーション改善の必要性を訴えた。

FOMC声明の拡充や金融当局者の経済予測の詳細化を提唱し、コミュニケーションの向上が効果的な金融政策の実施につながると述べた。

リスクに重点を置くことで政策の条件付き性やシナリオ分析の重要性を強調し、コミュニケーション改善が中央銀行の信認向上に貢献すると説明した。

FRBは意思疎通改善のための方策検討を-クリーブランド連銀総裁

(ブルームバーグ): 米クリーブランド連銀のメスター総裁は28日、経済情勢が将来の金融政策決定にどう影響するかについて、米金融当局として一般の人々に対するコミュニケーション改善のための方策を検討すべきだとの見解を表明した。

メスター総裁は日本銀行が本店で開いた国際会議での発言テキストで、連邦公開市場委員会(FOMC)が会合後に発表する声明の内容を拡充し、経済動向と見通しへの潜在的リスクを当局者がどのように評価するか説明することと、金融当局者の四半期経済予測に詳細を加えるという、二つの主要な変更を提唱した。

「コミュニケーションの向上により、通常時の金融政策の効果が高まるとともに、緊急時にはフォワードガイダンスなどの非伝統的政策手段の効果を高める」と語った。

その上で、2024年終わりにかけて開始する5年ごとの政策枠組みのレビューの一環として、当局者がコミュニケーションについて検討する見通しだと話した。

米経済や金利の見通しにはコメントしなかった。今年のFOMCで投票権を持つメスター氏は任期満了に伴い6月末に退任する。

FOMC声明が簡潔となっていることはしばしば前向きに受け止められているものの、個々の単語の重要性が増すことで問題でもあるとメスター総裁は指摘した。経済動向と政策決定との関連性を一般の人々が理解するのが難しくなる可能性もある。

メスター総裁は、金融当局者が「話の主導権を握り」、経済動向が見通しにどう影響するかや、そうした見通しへの潜在的リスクを説明するために内容を拡充した方が良いと論じた。

リスクに一層重点を置くことで、「政策決定が条件付きでデータ次第であることが市場参加者や一般の人々によく伝わり、政策変更が約束破りと受け止められないようになることで、中央銀行としての信認が高まる」としている。

さらに、異なったシナリオが異なった政策行動につながることを説明するシナリオ分析も米金融当局のコミュニケーションの標準的な部分とすべきだとコメント。「経済の基調的な構造要素が変化したかもしれない現在のような局面では、特に有益だ」と述べた。