ECBセンテノ氏、賃金伸び加速はインフレ懸念する理由にならず

AI要約

欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーが、ユーロ圏の賃金の伸びが加速してもインフレを懸念する必要はないとの見解を示した。

最初のECB利下げ後の金融政策の方向性が不透明であることや、市場の利下げ期待の後退を受け、追加金融緩和についての投資家の状況が検討されている。

ECBメンバーたちが消費者物価の伸びについて慎重な姿勢を示し、ディスインフレのプロセスに自信を持っていることが伝えられた。

(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、センテノ・ポルトガル中銀総裁は24日、ユーロ圏の賃金の伸びが1-3月(第1四半期)に加速したことについて、インフレを懸念する理由にはならないとの見解を示した。

センテノ氏は、ロシアのウクライナ侵攻を受けた消費者物価高騰による実質賃金の低下は今後数年間で反転する見通しだが、そのペースはまだ分からないと語った。

同氏はアイスランドのレイキャビクで開かれた会議の合間にブルームバーグに対し、「われわれの予想を0.2ポイント上回ったことについて深読みし過ぎることはない。この実質賃金の回復は、2%へのインフレ率の収束と両立し得る」と述べた。

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6月に想定されている最初のECB利下げ後の金融政策の道筋は不透明になっている。賃金データや、ユーロ圏経済の回復が定着しつつあることを示唆する別の統計を受け、最初の利下げ後の追加金融緩和について投資家の期待は後退している。

センテノ氏の発言は、物価の下落基調がなお続く中で市場は過剰反応したと同氏が見なしていることを示唆している。ECBのラガルド総裁も今月、消費者物価の急激な伸びはおおむね抑制されたとの認識を示した。

ECBのラガルド総裁、6月利下げを示唆-インフレ抑制を強く確信

ECB政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁も今週の賃金データをECBが「過剰に解釈すべきではない」と述べ、当局はディスインフレのプロセスになお自信を持っているとした。ミュラー・エストニア中銀総裁もブルームバーグとのインタビューで同様の見解を示した。

ユーロ圏、賃金加速もインフレ低下に変化ない-エストニア中銀総裁

ECB政策委員会のタカ派メンバーであるナーゲル・ドイツ連邦銀行総裁は24日、想定されている6月の初回利下げ後に追加利下げをする場合、恐らく9月まで待つ必要があるとの見方を示した。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開催されているイタリア北部ストレーザでブルームバーグテレビジョンに語った。