価格の上昇が続く実物資産「地金」の購入方法とそれにかかる税金は?

AI要約

金価格が最高値を更新しており、中東情勢の緊迫化などによりさらなる上昇が期待される中、金を購入する方法には投資信託、ETF、現物の金などがある。

投資信託やETFを通じて金に投資する場合は、証券会社に口座を開設し、円ヘッジなどのオプションも考慮することができる。一方、現物の金を購入する場合には、証券会社や貴金属会社から金を購入し、引き出す際には最低引出し単位に注意が必要である。

金を購入する際には、投資の目的やリスク許容度に合わせて適切な方法を選択することが重要である。

価格の上昇が続く実物資産「地金」の購入方法とそれにかかる税金は?

金価格が最高値を更新している。まだまだ上がる可能性のある金、実際に金の実物を購入するにはどのような方法があるのだろうか。

4月19日未明、イスラエルがイランに攻撃を仕掛け、再び中東情勢が緊迫化している。そのような中で、金価格が連日最高値となっている。

今後、中東情勢悪化や金融不安があれば、実物資産である金はさらに上がる可能性があり、株式等とは別に資産の一部として金資産をポートフォリオに組み入れるのもよいだろう。

金を購入するには、以下のように様々な方法がある。

(1)投資信託

金価格に連動する米国上場のETF、金に裏付けされた投資信託等に投資する投資信託を購入する方法だ。ネット証券会社では、投資信託は100円以上1円単位で投資でき、積立による購入もできる。

また、新NISAの成長投資枠で投資すれば、売却益を非課税にすることもできる。また、金はドル建てで取引されているため、為替リスクを低減する円ヘッジを選択することができる。

(2)ETF

ETFとは、上場投資信託のことをいい、金価格に連動する投資信託が株式市場に上場しているものをいう。ETFは、米国市場または日本の株式市場で購入することができる。株式市場が開いている間は常に価格が変動し、指値での注文が可能だ。

(1)の投資信託の場合指値注文はできず、1日1回決まる基準価額で購入することになる。なお、ETFは株式と同様購入単位が決まっているため、10口単位なら価格×10の最低投資価格が必要となり、積立購入はできない。ETFも新NISAの成長投資枠で投資可能だ。

(3)現物の金

実際にある金を購入する方法で、小額から積立することもできる。

次に現物の金の具体的な購入方法を紹介する。

実物の金の購入には、証券会社または貴金属会社から購入する方法がある。引出しを考えているなら貴金属会社、引出しを考えていないなら証券会社がおすすめだ。

■証券会社で購入する場合

金実物は、ネット証券会社のSBI証券、楽天証券、マネックス証券で購入できる。

証券会社で、金のスポット購入、積立購入ができる。証券会社の口座が既に開設してある場合は、金の口座開設も簡単にできるため、気軽に始めることができる。

積立は1,000円からと、小額から積立を始められる。口座開設料や口座維持費がかからないため、積立をやめるのも簡単だ。

一方で、現物を引出したいときは、最低引出し単位は100g(約116万円)または、1kg(約1,157万円)と、引出し単位が大きくなっている。

もし、引出しを念頭に置いているなら、貴金属会社で金を購入するのがおすすめだ。

■貴金属会社で購入する場合 

貴金属会社では、田中貴金属、三菱マテリアルで金の購入、積立が可能だ。

貴金属会社では、地金(ゴールドバー)、コインで金を購入することができる。積立購入することもでき、引出しは5g(約6万円)と小額でも引出し可能だ。

貴金属会社では、店舗でも引き出す金を受取ることができるうえ、引き出す金を地金だけでなく、コインやジュエリーで引出すこともできる。また、歴史ある貴金属会社として培われた確かな精製技術で製造された地金を受け取ることができるのも安心だ。

一方で、貴金属会社の場合、積立をしていないときに口座維持費かかることがあったり、積立金額も3,000円からできるものの、低い手数料で積立したいときは、月3万円以上(田中貴金属の場合)の積立が必要となってくるため、手数料を考慮すると証券会社に比べて気軽に始めることはできない。

後編では、金現物を購入する際の注意点についてまとめた。

文/大堀貴子