天候不順でキャベツの価格高騰続く 「1玉1000円」のスーパーも、家計直撃に消費者困惑

AI要約

キャベツの価格が高騰しており、消費者や飲食店が困惑している。高騰の要因は天候不順であるが、収穫が本格化すれば沈静化する見込み。

価格が3倍以上に跳ね上がり、消費者は驚きと困惑を覚えている。遅れていた各産地の収穫が原因で、需給のバランスが乱れている。

業界ではキャベツを有効活用する工夫が行われており、価格高騰に柔軟に対応しようとする動きが見られる。

天候不順でキャベツの価格高騰続く 「1玉1000円」のスーパーも、家計直撃に消費者困惑

キャベツの価格が高騰している。昨年の3倍以上の価格に消費者には困惑が広がり、「できる限りキャベツの芯近くまで使う」と工夫を重ねる飲食店も。天候不順が要因だが、高騰のピークは過ぎたといい、遅れていた各産地の収穫が本格化すれば沈静化する見込みだ。

「キャベツが1玉千円で驚いた」。5月の大型連休明け、神戸市内のスーパーで買い物をした50代男性は話した。お好み焼きの材料を買おうと訪れたが、まさかの価格に衝撃を受けた。「子供におなかいっぱい食べさせてあげたいので結局2玉買ったが、想定外だった…」とため息をつく。

農林水産省の調査によると、キャベツの卸売価格(東京都中央卸売市場)は3月上旬まで平年並みで推移していたが、徐々に上昇。5月14日には1キロ260円となり、80円ほどだった前年同時期の3倍超の価格を記録した。

■収穫・出荷ずれ

こうした異常な高騰について、キャベツの産出額全国1位の愛知県にあるJA豊橋(豊橋市)は「今の時期は冬のキャベツと夏のキャベツの切り替えのタイミングだが、うまくいかなかった」と説明する。

JA豊橋によると、例年、4月末まで収穫が続く冬のキャベツとバトンタッチする形で、5月ごろから夏のキャベツが出荷されていく。ただ、今年は、夏のキャベツの出荷が停滞。「3月が例年より冷え込み、雨も多かった」。生育が悪く、収穫時期が10日ほど後ろにずれ5月下旬になっているという。

対照的に、4月末まで収穫が続く冬のキャベツは、暖冬の影響で例年より早く成長し出荷された。それぞれの出荷時期がずれ、品薄を招いたのが高騰の原因という。

お好み焼きチェーンを展開している「ゆかり」(大阪市北区)は、同区の曽根崎本店のみでも1週間で400~500キロのキャベツを使うが、今月に入って仕入れ価格が4~5割程度高くなっているという。

価格高騰を受け、極力、キャベツを使い切るよう各店舗に通達。上部の軟らかい部分は焼きそばなどの鉄板焼きに使用し、下半分はお好み焼き用に使っているが「できる限り芯近くまで使うようにしている」(同社商品部)。

仕入れ先の一部からは「国産は高騰して入手できない。海外産にしてもいいか」との相談もあったといい「何とか国産を」と対応している。ゆかりは「年間計画を立てて仕入れており、一時的な高騰なら何とか吸収できると思う」と話す。