債券トレーダー、年内の米利下げ予想後退-米国債ショート復活

AI要約

スワップ市場では、米国内で年内に2回の利下げがあるとの見方が広がっていたが、債券トレーダーの間で再び懐疑的な見方が強まっている。

現在、スワップ市場では年内の利下げ幅を約0.4ポイントと見込んでおり、良好な経済データが発表されると2回の利下げを織り込んでいたが、最近は利回りが上昇し、ポジションが再構築される中で慎重な姿勢が続いている。

21日には弱気な勢いがやや反転し、カナダの月間インフレ統計が注目された後、米国債先物に買いが入った。

(ブルームバーグ): 米国では年内に2回の利下げがあるとの見方がスワップ市場に先週織り込まれたばかりだが、債券トレーダーの間ではこうした想定に再び懐疑的な見方が強まっている。

スワップ市場は現在、年内の利下げ幅を約0.4ポイントと見込んでおり、11月の政策決定会合で最初の0.25ポイント利下げを想定。良好な数字となった4月の米消費者物価指数(CPI)が15日に発表された直後は、0.5ポイント近い利下げ、つまり2回の0.25ポイント利下げを織り込んでいた。

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その後、利回りがここ数日に上昇する中で期間短めの米国債に新たなショートポジションが再構築されると同時に、期間長めの米国債のロングポジションが一部解消されたことが、持ち高から示唆された。インフレが正しい方向にあることを確認するためのさらなるデータと、22日に公表される連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨から得られる米金融政策の方向性に関する新たな手がかりをトレーダーは待っており、慎重姿勢を崩していない。

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は21日に米経済専門局CNBCとのインタビューで、「正しい方向に向かうデータが十分得られたなら、われわれは年内ないし来年初めの利下げを考えることができる」と語った。これに先立ち、「もう数カ月良好なインフレデータ」を確認する必要があると述べていた。

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21日の取引では最近の弱気な勢いがやや反転した。カナダの月間インフレ統計がまず意識され、その後、期間短めの米国債先物に買いが膨らんだことが影響した。

原題:Bond Traders Trim Fed Rate Cut Bets as Treasury Shorts Revived(抜粋)

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