【金星配給】照ノ富士が“ひとり横綱”なのに休場続きで「平幕に“年額24万円のボーナス”を手にするチャンスが巡ってこない」の指摘

AI要約

照ノ富士が横綱として君臨する中、大相撲の横綱不在が続いていることが問題となっている。

横綱不在により、力士たちの収入面にも影響が及んでおり、金星を獲得することが難しくなっている。

照ノ富士は金星配給が少ない横綱とは言えず、優勝候補の筆頭として活躍しているが、今後の成績次第で横綱在位が継続されるかどうかは不透明である。

【金星配給】照ノ富士が“ひとり横綱”なのに休場続きで「平幕に“年額24万円のボーナス”を手にするチャンスが巡ってこない」の指摘

 2021年9月場所を最後に横綱・白鵬(現・宮城野親方)が引退して以来、大相撲では照ノ富士の“ひとり横綱”が続いている。照ノ富士がひとり横綱として君臨するのはこの9月場所で19場所目となるが、今場所も含めて11場所を全休、あるいは途中休場している。そうした「横綱不在」は様々なところに影響が及ぶ。

 もちろん、観客にとっては横綱土俵入りが見られないという状況になるが、土俵上で相撲を取っている力士が、“収入増のチャンス”を逃すという側面もあるようだ。協会関係者が言う。

「横綱戦には懸賞(力士の手取り1本3万円)が多くかかります。連日30本以上の懸賞旗が土俵の上を回ることになり、横綱に勝てば100万円近い臨時ボーナスとなるわけです。それゆえに各力士は必死で横綱にぶつかっていって白熱した取組になるわけですが、横綱戦がないとそうした盛り上がりも見られない。

 特に平幕力士にとっては、横綱を倒した時の“ご褒美”は非常に大きい。横綱を倒して『金星』をあげると、持ち給金(力士褒賞金)が10円アップするのです。持ち給金は、力士の月給とは別に本場所ごとに協会から支給される手当のこと。実際には持ち給金を4000倍した額が引退するまで本場所のたびにもらえる。つまり、金星をひとつあげるだけで4万円(10円の4000倍)が毎場所受け取れるのです。1年で24万円になり、その後10年間関取として現役を続ければ240万円の増収となるわけです」

 当然ながら、この褒賞金を支払うのは相撲協会である。それゆえ、「金星配給マシーン」と呼ばれるような前半戦の平幕力士との対戦に弱い横綱に対しては、協会が引退勧告をする流れになる。ただ、今のところ照ノ富士に対して協会は厳しい指摘をしていない。休場も多いが、出場した場所は優勝するというパターンも関係しているのだろうか。相撲ジャーナリストはこう言う。

「今年の3月場所では、照ノ富士は3日連続で金星を配給して7日目から途中休場した。年6場所制以降で9人目という不名誉な記録だった。直前の1月場所で照ノ富士は優勝していたが、3月場所の状況を見て内部では引退勧告も議論されたといい、協会としては頭が痛い展開だったようです。

 実際、照ノ富士は金星配給が少ない横綱とは言えない。玉鷲に3場所連続で金星(通算4個)を配給したことがあるし、今年7月場所では14日目の平幕・隆の勝との直接対決に勝てば優勝だったのに、隆の勝に通算3個目の金星を配給。翌日も大関・琴櫻に負けて優勝決定戦となった。休場も含めて横綱在位19場所で、通算21個の金星配給は少ないほうではないでしょう。ただ、有力な横綱候補もいないなか、出場すれば優勝候補の筆頭となるかたちでのひとり横綱。巡業には真面目に出勤しているということもあって、延命している状況がある。

 ただ、金星配給は協会の財務に直接関わってくること。かつては横綱在位8場所で12個の金星を配給した初代・琴櫻のように、協会が金星乱発を問題視して引退勧告をしたとされる事例もあるので、今後の成績次第でどうなるかはわかりません」