「トンネル内にトンネル造りました」 国道で異例の“入れ子復旧” 地震被災からついに1車線確保へ

AI要約

石川県輪島市の国道トンネルが仮復旧し、一部車両のみ通行可能となる見通しです。

トンネル内に異例の形で小さいトンネルを設置し、通行を確保する措置がとられた。

復旧工事は続行中で、トンネル内での交通は緊急車両や地元車両のみで、待ち時間も発生する。

「トンネル内にトンネル造りました」 国道で異例の“入れ子復旧” 地震被災からついに1車線確保へ

 地震で通行止めが続いていた石川県輪島市の国道のトンネルが、2024年9月25日正午から、一部車両のみですが通れるようになる見通しです。この仮復旧は「トンネル内にトンネルを整備する」という異例の形で実現しました。

 通れるようになるのは、輪島市の門前町と市中心部をつなぐ全長1.3kmの国道249号「中屋トンネル」です。元は一般的な2車線の道路トンネルでしたが、1月1日の能登半島地震で内壁などが崩れるなどして通行止めが続いていました。

 本格的な復旧は時間を要することから、応急措置として、トンネル内に一回り小さいコの字型のトンネルを6か所設置しました。この小さいトンネルは、落下物からクルマを守る鋼製のプロテクターです。幅4m、高さ3.8mで、1車線の通行を確保しています。

 復旧工事を進める国土交通省の能登復興事務所によると、片側交互通行の区間は約1.7kmと長いため、待ち時間が10分程度になる場合があるといいます。通れるのは緊急車両と地元車両に限定されます。また、トンネル内は狭く、暗い場所もあるため、歩行者や自転車は通行できません。

 中屋トンネルでは、2024年内の2車線確保に向けて、プロテクターの外側で復旧工事が続きます。