各国中銀、今後数年は不安定なインフレに直面の公算=ECB総裁

AI要約

ECBのラガルド総裁は、世界経済の変化に伴い、インフレ率が不安定になる可能性を指摘。インフレ目標制度の維持が最善と主張。

不確実な世界において、金融政策の柔軟性が重要との考え。価格安定を維持する必要性を強調。

グローバル化の逆転が中央銀行の強化につながる可能性を示唆。資本の深化が金融政策に影響を及ぼす可能性を述べた。

各国中銀、今後数年は不安定なインフレに直面の公算=ECB総裁

[フランクフルト 20日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は20日、世界経済の大きな変化を背景に今後何年にわたってインフレ率が不安定になり、物価抑制の取り組みが複雑化する可能性があるとの見解を示した。同時に、これに対応する最善の方法はインフレ目標制度を維持することだと指摘した。

ラガルド氏はワシントンで行われた国際通貨基金(IMF)のイベントで、今後より不確実な世界が待ち受ける中、必要とされるのは新たな権限ではなく、十分な柔軟性だと主張。インフレ率がより不安定になり、金融政策の伝達がより不確実な時代に入った場合、「価格形成を安定させる深いアンカーを維持することが不可欠になる」とした一方で、「これは、金融政策の運営方法がこれまでと変わらないことを意味するわけではない」と述べた。

また、企業が事業拠点から地理的に近い国に生産施設などを移転する「ニアショアリング」や同盟関係や友好関係にある国に限定してサプライチェーン(供給網)を構築する「フレンドショアリング」を通じてバリューチェーンを解体すれば、グローバル化の逆転により中央銀行の強化につながる公算が大きいと指摘。「資本の深化は金利変動に対する経済の感受性を高め、金利経路を通じて金融政策の伝達効果を高める可能性がある」と述べた。