英中銀、政策金利据え置き 量的引き締めを1年延長

AI要約

イギリス中央銀行が政策金利を据え置き、1000億ポンドの国債減額を継続することを決定。

インフレ率の低下や原油価格の影響を受けて、利下げの可能性が示唆されながらも段階的な措置が必要と強調。

量的緩和プログラムを維持し、国債減額が進む中、財政ルール変更が検討されている。

英中銀、政策金利据え置き 量的引き締めを1年延長

[ロンドン 19日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は19日、政策金利を5.0%に据え置くとともに、1000億ポンドの保有国債減額を今後1年も継続すること決定した。

金融政策委員会は8対1で金利据え置きを決定、ディングラ外部委員が0.25%ポイントの利下げを支持した。8月会合では5対4の僅差で利下げを決定、ロイターによるエコノミスト調査では今回は7対2での金利据え置きが予想されていた。

ベイリー総裁は声明で、インフレ圧力の低下により今後数カ月で段階的な利下げが可能と指摘。「ただインフレが低水準を維持することが極めて重要で、早期や過度の利下げにならないよう注意する必要がある」と述べた。

中銀は、直近で2.2%となっている消費者物価の前年比上昇率が年末までに2.5%程度まで上昇するとの見通しを示した。原油価格の下落がインフレ見通しの引き下げにつながったという。

<量的引き締め継続>

金融政策委は2024年10月からの1年間、量的引き締め(QT)ペース維持を9対0で決定した。市場の予想通りで、これまでと同様に年間で1000億ポンド減額する。

保有国債のうち870億ポンドは1年以内に償還を迎える予定で、売却額は事実上130億ポンドに過ぎないため、一部ではQT加速が予想されていた。

現在の価格より高い価格で国債買い入れを行ったため、売却は損失につながり結果的に国税で負担になるとして、一部議員やシンクタンクからはQTへの批判がでている。国債買い入れのために調達した資金への利払いも、中銀にとり損失となっている。

多くのエコノミストは、リーブス財務相が10月30日に公表する予定の予算編成方針で、QTの影響を排除する財政ルール変更を行い、予算ののりしろを確保する可能性を指摘している。

中銀はQTは円滑に進んでおり、金融政策スタンス全体への影響は「わずか」との見方を維持。国債保有の増加傾向に歯止めをかけ、将来の危機に柔軟に対応するためにQTが必要との見解を改めて示した。