バーゼル3見直し案の承認時期は未定=米FRB議長

AI要約

パウエル議長は米銀大手に適用する国際的な新自己資本規制「バーゼル3」の最終規則案について、要件を緩和する見直し案の承認時期は未定との見解を示した。

規則策定機関は承認時期を明確にしておらず、来年前半に結論を出す考えを示唆した。

見直し案の中核的自己資本の増加幅が激しく変更され、大統領選や新政権下でも規則に関する作業が続くことが明らかになった。

バーゼル3見直し案の承認時期は未定=米FRB議長

Michael S. Derby Michelle Price

[ニューヨーク 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は18日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、米銀大手に適用する国際的な新自己資本規制「バーゼル3」の最終規則案に言及し、要件を大幅に緩和した見直し案の承認時期は未定との見解を明らかにした。

規則策定はFRBのほか、連邦預金保険公社(FDIC)と通貨監督庁(OCC)も所管し、いずれも見直し案の承認時期を明らかにしていない。ただ、パウエル議長は会見で「われわれは1つのチームとして行動し、パブリックコメントを求めるため見直し案を公表するつもりで、来年前半のどこかの時期で結論を出すよう試みる考えだ」と話した。

見直し案はFRBのバー副議長(金融規制担当)が10日、ブルッキングス研究所で講演し、概要を明らかにした。「グローバルなシステム上重要な銀行(G―SIB)」の中核的自己資本の増加幅について従来案は約20%だったが、銀行業界の激しい反発を受けて9%に大きく引き下げた。

パウエル氏の発言により、11月5日の大統領選はもとより、その結果発足する新政権下でも規則に関する作業が続くことをFRBが初めて認める形となった。

ロイターが先に報じたところでは、アナリストや業界筋の間では共和党候補のトランプ前大統領が政権に返り咲いた場合は資本規則がさらに骨抜きにされるか、完全に棚上げされかねないとみられている。