8月英公的債務がGDP比100%に、調査開始以来初めて=統計局

AI要約

英国の公的部門純債務がGDP比率で100%に達し、100億ポンド以上の借入が発表された。政府の財政状況は厳しい状況にある。

10月の予算で増税が警告されているが、所得税・法人税・付加価値税の税率引き上げは否定されている。インフレ率上昇により社会給付と経常支出が増加している。

8月の財政統計は、財務相が直面している現状を反映しており、予算編成に向けての懸念が高まっている。

8月英公的債務がGDP比100%に、調査開始以来初めて=統計局

Andy Bruce

[ロンドン 20日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)は20日、8月の公的部門純債務(公的金融機関を除く)の対国内総生産(GDP)比率が100%に達したと明らかにした。月次調査が1993年に始まって以来100%に達したのは初めて。7月は99.3%だった。

イングランド銀行(中銀)の記録では、政府債務が定期的にこの水準で推移するのは1960年代初頭以来のこと。

政府債務は世界金融危機の際に急増し、新型コロナの大流行でも膨らんだ。それ以降の景気低迷も対GDPでの拡大につながっている。

8月の借入額は137億3400万ポンド(182億9000万ドル)で、前年同月より33億ポンド多かった。ロイター調査の予想は124億ポンドだった。インフレ率上昇を反映し、社会給付と経常支出が増加した。

リーブス財務相は10月30日にが発表する予算での増税を警告しているが、所得税・法人税・付加価値税の税率引き上げは否定している。

PwCのエコノミスト、ゴラ・スーリ氏は「8月の財政統計は、初の予算編成を前に財務相が直面している厳しい状況を浮き彫りにしている」と述べた。