FRB、利下げ開始でもバランスシート圧縮継続へ

AI要約

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、利下げを開始したもののバランスシートの圧縮を進める可能性があると示唆した。

FRBはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50%ポイント引き下げ、量的引き締めを開始している。

準備金とリバースレポ・ファシリティーの状況も注目されており、議長は現状について説明を行った。

FRB、利下げ開始でもバランスシート圧縮継続へ

Michael S. Derby David Lawder

[ニューヨーク 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は18日、利下げを開始したものの、金融システムの流動性が依然として高水準であることから、バランスシートの圧縮を進めることが可能という認識を示した。

FRBはこの日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50%ポイント引き下げた。

パウエル議長は会合後の記者会見で、「準備金は依然として潤沢で、当分の間その状態が続くと予想される」と述べた。

FRBはインフレ抑制に向け積極的な利上げを実施する中、量的引き締め(QT)を開始。バランスシートは2022年夏のピーク時の9兆ドルから現在7兆2000億ドルまで縮小している。

一部のアナリストは、FRBが0.50%ポイントの利下げを実施すれば、政策ツール全般の整合性を高めるため、QT終了が早まる可能性があるとみていた。

パウエル議長はQTによって銀行準備金の水準はほとんど変わっておらず、代わりにリバースレポ・ファシリティーから資金が流出したと指摘した。

準備金は22年6月以降、3兆ドル強で推移している。

一方、リバースレポ市場への資金流入は1日当たり2兆ドルを超えていた状態から、18日には3058億ドルにまで減少した。

パウエル議長はリバースレポ・ファシリティーの状況に言及し、金利が低下しても「われわれがランオフ(償還に伴う保有証券減少)の停止を考えていない」ことを示すと指摘した。