「これまで家族のために頑張ってきた」と定年後はカラオケ三昧の父と、専業主婦からパート勤務になった母。年金15万円とパート収入8万円で今後も安泰でしょうか?

AI要約

定年後の両親の収支に関する懸念と対処方法について解説。

高齢者世帯の家計収支の平均結果をもとに、老後の生活について考察。

子どもが両親をサポートするための方法を提案。

「これまで家族のために頑張ってきた」と定年後はカラオケ三昧の父と、専業主婦からパート勤務になった母。年金15万円とパート収入8万円で今後も安泰でしょうか?

家族のために頑張って働いてきた父親の中には、定年後は仕事を辞めてゆっくり趣味を楽しみたいと考える人もいるでしょう。年金だけでは夫婦二人暮らしが厳しいからと、専業主婦からパート勤務になる母親もいます。子どもとしては、定年後の両親に収入がいくらあれば生活していけるのか不安になるかもしれません。

例えば、年金が15万円で母親のパート収入が8万円の場合、父親は定年後に趣味のカラオケを楽しみながら、余生を過ごせるのか気になる方もいるでしょう。

今回は、高齢者世帯の家計収支を参考にしながら、定年後の生活について調べてみました。母親が働けなくなったときの対処についてもご紹介しますので、両親の老後生活を心配している人は参考にしてみてください。

父親の年金15万円と母親のパート収入が8万円で老後生活は安泰なのかと疑問に思う方もいるでしょう。実際は老後生活にも出費が付き物で、年金やパート収入だけでは生活が厳しくなるケースも考えられます。

家計収支は各家庭で異なりますが、参考として総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」から高齢夫婦の毎月の支出をまとめると以下の通りです。

・消費支出:25万959円

・非消費支出:3万1538円

・支出合計:28万2497円

これに対して、平均実収入は24万4580円で、毎月3万7916円の不足分が生じていることが分かります。今回のように父親の年金15万円と母親のパート収入8万円の場合では、実収入が23万円となり、毎月5万2497円の不足分が生じることになります。

父親がカラオケざんまいで出費がかさむような場合は、平均よりも支出が増えて不足分がさらに増える可能性も考えられるでしょう。

両親が定年後に、毎月の収支で5万2497円の赤字で生活し続けるとしたら、1年で62万9964円、5年で314万9820円のようにまとまったお金を別に用意しなければなりません。父親の退職金などで十分な貯金があればいいですが、できる限り不足分を減らすようにすれば、毎月の負担もかからないでしょう。

子どもとしては、以下のような方法で両親をサポートできるかもしれません。

・定年後の実際の収支をシミュレーションする

毎月の不足分5万2497円は、あくまでも平均的な支出から算出したものであって、実際は各家庭によって異なります。

例えば、総務省統計局の調査では消費支出の「住居」が1万6827円になっています。実際は、持ち家か賃貸かによって住居にかかる金額は大きく異なるでしょう。また「教養娯楽」は2万4690円になっていますが、カラオケなどの趣味にいくらかかるか計算しておく必要があります。

各項目で節約できるものがあるかを検討しつつ、実際の収支をシミュレーションして不足額の目安を把握しておくといいでしょう。

・不足分をどうやって補えるか考える

実際の収支のシミュレーションを基に、不足分を補う方法を考えます。「貯金を崩すとすれば何年分くらいあるか」「不足分を子どもたちからの仕送りで援助できるか」など、家族で話し合って検討できるでしょう。

両親が健康であれば「父親がアルバイトなどで少しでも収入を得ることはできないか」「母親のパート時間をもう少し増やせないか」など収入を増やすための提案もできるかもしれません。

・今後の状況の変化にも備える

老後は健康状態によって大きな出費が発生したり、母親がパートで働けなくなったりするなど、状況が変化する可能性も考えられます。支出が増えたり収入が減ったりした場合に、どのように対処するかも考えておくと安心です。

お金がなくなった場合に利用できる生活福祉資金貸付制度や、生活保護などの制度についても理解して、必要に応じて利用することも検討できるでしょう。