提携先の大手百貨店と意見の相違 負債1億9000万円「JINRIKI」破産申請へ 車いす牽引用補助装置を開発製造

AI要約

車いすに独自の持ち手を取り付け人力車のように動かすことで知られた「株式会社JINRIKI」が破産を申請する見込みであり、負債は1億9000万円にのぼる。

同社は2012年に車いす牽引用補助装置「JINRIKI」の開発製造を目的に設立されたが、売り上げは伸び悩み、経営が厳しくなっていた。

大手百貨店との業務提携を試みたが安全基準を巡り意見の相違が生じ、事業継続が難しくなり破産申請の方向へ向かう。

提携先の大手百貨店と意見の相違 負債1億9000万円「JINRIKI」破産申請へ 車いす牽引用補助装置を開発製造

車いすに独自の持ち手を取り付け人力車のように動かすことで知られた「株式会社JINRIKI」(長野県箕輪町)が8月末までに事業を停止し破産を申請する見込みであることが9月18日わかった。負債は2023年7月の時点で1億9000万円にのぼるとみられている。

民間の信用調査会社「東京商工リサーチ」によると、同社は2012年に車いす牽引用補助装置「JINRIKI(じんりき)」の開発製造を目的に設立された。

「JINRIKI」は既成の車いすに装着することで未舗装の路面や積雪時、砂浜などでも移動しやすくなり、災害時には障がい者や高齢者の避難・移動を迅速化することが出来るほか、観光用としても注目されていた。

防災安全協会など各種コンテストでも受賞歴があり全国約130社の代理店で販売し、2014年7月期には3700万円を売り上げていた。

しかし、その後は伸び悩み、毎期赤字を積み上げる厳しい展開だったという。

2022年のロシアのウクライナ侵攻後は、クラウドファンディングを募って現地に「JINRIKI」を送る活動も始めていた。

こうした中、大手百貨店と業務提携して2023年9月に新商品の開発を始め、2024年6月には製品を発表して本格的な量産・販売拡大が期待されたが、安全基準を巡り提携先との深刻な意見の相違が生じ、製造を中止する事態となったという。

この間、開発に尽力して既存の製品の販売を中断していたため資金繰りが困難となり、事業継続を断念した。

8月31日までに事業を停止し今後は長野地裁伊那支部に破産申請をする方向で、負債総額は調査中だが2023年7月末の時点で1億9000万円にのぼるという。

(長野放送)