国家公務員の約4割が「老後の生活」で赤字?約半数が知っておくべきだったと後悔していることとは?

AI要約

国家公務員の定年後の家計状況について約4割の世帯が赤字を抱えていることが報告されている。

退職後の年金額や資産運用に関する情報不足が家計の赤字につながる可能性が高いため、事前の対策が重要である。

定年後の生活を安心して送るためには、情報収集や適切な資産運用が必要である。

国家公務員の約4割が「老後の生活」で赤字?約半数が知っておくべきだったと後悔していることとは?

「公務員は将来が安泰」というイメージを漠然と持っている人は少なくないでしょう。国家公務員ともなると「定年まで安定した職業に就き、定年後は十分な年金をもらって生活できるので老後生活について心配がなさそう」と考えるかもしれません。

しかし実際の状況は異なるようです。人事院がまとめた資料によると、約4割の世帯で、時々もしくは常に家計に赤字が出ているそうです。

本記事では、国家公務員の定年後の家計状況をご紹介し、定年前に行える対策もあわせて解説します。

人事院事務総局の「令和5年 退職公務員生活状況調査報告書」によると、一般職国家公務員のうち令和4年度末に60歳で定年退職した人と令和4年度に60歳に達し令和5年7月31日までの間に勤務延長後退職した人の世帯の家計状況は表1の通りです。

表1

出典:人事院事務総局「令和5年 退職公務員生活状況調査報告書」を基に筆者作成

赤字が時々あるいは常に出ている世帯は、41.5%にのぼりました。また「ゆとりはないが、赤字でもない」と回答した人は38.8%おり、全体的に家計状況に余裕がない世帯の方が多いようです。

このような状況を反映してか、同調査において「定年退職後も働きたいと思った」と回答した人のうち、その理由として「日々の生計維持のために必要」と答えた人は85.7%もいました。また「経済的により豊かな生活を送りたい」と答えた人も38.1%いました。

同調査によれば、国家公務員が「定年退職前にもっと知っておけば良かったと思うこと」として挙げた事項の中で最も多かったのは、「年金、保険に関する情報(51.6%)」でした。それに続いて「資産運用に関する情報(44.6%)」にも回答が集まっています。

退職後にもらえる年金額を見誤ると、支出とのバランスが赤字になることを想定できず、結果的にやりくりに苦労するかもしれません。また現役時代に資産運用を始めていないか、情報を収集しておかないと、後々時間や投資機会を逸したことを後悔する可能性もあります。

同調査では家計がマイナスになる場合の対処法として「退職手当を取り崩す」「退職手当以外の預貯金等を取り崩す」と回答している人が多くいました。

できるだけ貯蓄や退職金に手を出したくない場合は、事前の対策が必要でしょう。