横浜駅西口「大改造」へ 老朽化施設を刷新、2040年代完成目指す

AI要約

相鉄ホールディングスと相鉄アーバンクリエイツが2040年代の横浜駅西口大改造構想を発表。商業施設からオフィスや住宅への転換を目指す。

現在の施設の老朽化や周辺の高度成長による需要変化を受け、大規模な再開発を計画。人にやさしい街づくりも重視。

横浜駅西口の歴史や開発の経緯、計画の具体的内容についても取り組む予定。

横浜駅西口「大改造」へ 老朽化施設を刷新、2040年代完成目指す

 相鉄ホールディングス(HD、横浜市西区)と相鉄アーバンクリエイツ(同区)は、2040年代の完成を目指す「横浜駅西口大改造構想」を発表した。現在、横浜駅西口は飲食店や衣料品店といった商業施設に偏っていた面もあり、オフィスや住宅需要などに応えることを視野に、大規模な再開発に乗り出す。【葛西大博】

 まずは20年代後半に映画館「相鉄ムービル」の建て替え工事に着手する。どのような施設が入るかなど具体的な中身は未定だという。また、西口のランドマークとも言える大規模商業施設「相鉄ジョイナス」と横浜高島屋が入る「新相鉄ビル」の建て替えについても今後検討していく。

 西口の開発は、1952年に相鉄グループが周辺の土地を取得したことから始まった。59年には横浜高島屋が開業し、64年にダイヤモンド地下街(ザ・ダイヤモンド)、73年には「相鉄ジョイナス」がオープンした。

 高度成長と共に発展してきた横浜駅。1日の乗降客数は約200万人に達し、首都圏有数の大規模ターミナル駅となっている。

 だが、相鉄グループが開発に乗り出してから半世紀以上が経過し、同時期に完成した施設は老朽化が課題となっている。80年代後半以降は臨海部の「横浜みなとみらい21地区」の開発が本格化し、企業の本社移転や高層マンション建設などが相次いだ。そのため、横浜駅周辺の存在感は相対的に低下していた。

 記者会見した相鉄HDの滝沢秀之社長は「西口は開発着手から70年以上が経過し、何も取り組まなければ横浜市の魅力の低下に直結する。東京の各都市の再開発にない独自の街づくりが必要不可欠だ」と話した。

 今回の再開発では、「人にやさしい」街づくりも掲げる。車中心だった駅周辺を見直し、一般車の流入を抑えて、駅前広場を作るなど歩行者優先を図る考えだ。また、西口には帷子川水系の川が流れているが、夜間は人通りも少なく、これまであまり活用されていなかった。河川周辺を整備し、多くの人が安全に利用できる親水空間にすることも目指す。

 相鉄アーバンクリエイツの左藤誠社長は「夜に人がいない街では(魅力に欠ける)。周辺には住宅建設が可能なエリアもあるので住居を整備し、オフィス機能も充実させたい」と語った。

 ◇横浜駅西口開発のあゆみ

 1952年 相鉄グループが土地を取得

  56年 高島屋ストア・横浜駅名品街開業

  59年 横浜高島屋開業

  64年 ダイヤモンド地下街開業

  73年 相鉄ジョイナス開業

  88年 相鉄ムービル開業

  98年 横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ     開業