多言語・障害に対応、人事労務ソフトを皆が使いやすく SmartHRアクセシビリティスペシャリスト・桝田草一さん(39)  月刊Biz・みんなのDEI 

AI要約

SmartHR(スマートHR、東京都港区)がアクセシビリティーに取り組む方法と成果について紹介。

多言語化と障害者雇用を活用し、人事労務ソフトの利用を誰にでも使いやすい状況にしている。

アクセシビリティの重要性やDEI実現に向けた取り組みについて、スマートHRの取り組みを紹介。

多言語・障害に対応、人事労務ソフトを皆が使いやすく SmartHRアクセシビリティスペシャリスト・桝田草一さん(39)  月刊Biz・みんなのDEI 

障害の有無や年齢にかかわらず、誰にでも利用しやすい状況をつくる「アクセシビリティー」が社会課題になっている。人事労務ソフトのスタートアップ(新興企業)、SmartHR(スマートHR、東京都港区)は令和4年に専門部署を設立し、商品の開発に役立てている。アクセシビリティスペシャリストとしてチームを率いる桝田草一さんに話を聞いた。

――アクセシビリティ本部が取り組む内容は

「13人が多言語化とアクセシビリティーの2つのチームに分かれて働いている。多言語化は人事労務ソフトの導入先で働く従業員向けに英語や韓国語、中国語、ベトナム語、ポルトガル語などへの翻訳や、年末調整といった日本独特の税システムを分かりやすく説明するコンテンツを制作している。一方、障害者雇用で採用した寝たきりの社員や弱視の社員らが『アクセシビリティテスター』としてソフトを試し、不便な点を開発陣に伝える役割も果たしている」

――成果は

「ウェブ上に一定の文字数以上の入力を求めるフォームがあるが、視覚障害者に音声で『あと何文字』と1字ごとに読み上げると分かりにくいので、終了時のみに通知するよう改善した。人事労務ソフトは全社で使用するので、1人だけ違うものを導入するのは非効率。社員全員が使えるということは、経済的にもメリットがあるということを伝えていきたい」

――DEI実現にも欠かせない

「誰もが自分らしく働ける仕組みやルールがなければ、多様性は実現できない。(周囲が)配慮する必要のない環境を整えていくことが重要だと思う」