役所に死亡届を出すと「銀行口座は即凍結?」死亡直後の預金引き出しで起こる相続トラブル&リスクとは

AI要約

役所に死亡届を提出しても、金融機関の口座は即凍結されない

口座凍結は名義人の逝去を金融機関が確認した時点で行われる

口座凍結前に本人以外が現金引き出しすることはトラブルの原因になる可能性あり

役所に死亡届を出すと「銀行口座は即凍結?」死亡直後の預金引き出しで起こる相続トラブル&リスクとは

筆者が前職の信用金庫時代に、よくお客様から「死亡届を提出すると、使っていた年金口座は即凍結されちゃうの?」とといったご質問を受けることがありました。

その時には「市役所はお客様がどこの金融機関とお取引されているかを知らないので、市役所から金融機関に死亡を知らせる連絡がくることはありません」と回答していました。

2018年1月から、金融機関の口座はマイナンバーとの紐づけが任意で始まっていますが、まだ強制ではありません。

来たる2025年は「団塊の世代」がすべて75歳以上の後期高齢者となる年。そして少子高齢化が進む今、70歳代の子どもが90歳代の親の相続手続きを行うケースも珍しくないでしょう。

今回は、誰もが経験する可能性がある「相続」について、少しでも身近に感じていただくための話題をテーマにしてみたいと思います。

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まずは結論から。役所に死亡届を提出しただけでは、銀行などの金融機関(以下「銀行」とします)の口座は凍結されません。

銀行は、口座名義人の逝去を知った時点で口座を凍結します。家族などが役所に死亡届を提出した時点で口座が凍結されるわけではないのです。口座凍結となるのは、家族などが金融機関に連絡し、名義人が亡くなったことを伝えた時点から。

ただし、頻度は高くないものの、家族からの連絡以外で銀行の担当者に死亡の事実が知れるケースもあります。例えば「町内会の掲示で葬儀の案内を見かけた」「新聞やウェブサイトなどで逝去の事実を知った」といったケースです。

こうした場合、金融機関側から親族に確認を取ったうえで口座を凍結させることがあります。

ちなみに、複数の銀行間で名義人が亡くなったという情報が共有されることはありません。よって、亡くなった人が口座を持っていた全金融機関に、死亡の旨を届出る必要があります。

さて、銀行に届け出をしなければ口座は使用できる状態のままです。よって、銀行に名義人死亡の旨を届け出る前に、口座から現金を下ろすことはできます。

しかし、口座が凍結の前に本人以外が現金を引き出すことは、いくつかのトラブルを引き起こす可能性があります。