〔東京外為〕ドル、142円台後半=米CPI小幅加速で上昇(12日午後5時)

AI要約

12日の東京外国為替市場では、ドルが円に対して大幅に上昇しました。日米金利差を意識した地合いやFOMCやECBの政策に注目が集まっています。

ドルは買いが優勢で、一時143円台に浮上しました。一方、ECBとFRBの政策の違いから円高の可能性も指摘されています。

ユーロは対円で上昇し、対ドルで下落しています。

 12日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、8月の米CPIがわずかに市場予測を上回ったことなど受けて買いが優勢となり、1ドル=142円台後半に上昇した。午後5時現在は、142円73~75銭と前日(午後5時、141円37~38銭)比1円36銭の大幅ドル高・円安。

 朝方は、海外時間の流れを引き継いで買われ、142円90銭台まで水準を切り上げた。仲値にかけては実需の売りが広がった上、田村直樹日銀審議委員の講演内容がタカ派的と受け止められたことがドル売り・円買いにつながり、142円20銭台に下落。その後は買い戻しが入り、正午に向けては142円30~60銭台のレンジで一進一退となった。午後は堅調な日経平均株価を背景に買いが強まり、終盤には一時143円台に浮上した。

 市場が注目する来週のFOMCについて、大幅利下げが見送られ、0.25%の利下げにとどまるとの見方が強まる中、短期的には日米金利差を意識した「ドル買い・円売りの地合いになっている」(大手邦銀)という。「ドットチャートやパウエルFRB議長が会見でタカ派姿勢を示す可能性があり、そこが注目される」(国内証券)との指摘もあった。

 日本時間今夜には、ECB理事会の結果公表とラガルド総裁の会見が予定されている。市場では「0.25%の利下げが織り込まれており、サプライズはないだろう」(別の大手邦銀)との声が大勢。ただ、ECBとFRBが利下げ方向にある一方、日銀は利上げ方向にあるため、「金融政策の差から、ECBの政策決定直後は円高となる可能性」(資産運用会社)があるとの見方が出ていた。

 ユーロは対円で上昇、対ドルで下落。午後5時現在、1ユーロ=157円15~16銭(前日午後5時、156円08~10銭)、対ドルでは1007~1008ドル(同1.1041~1.1041ドル)。