「どこまで落ちたらいいんですか?」年収450万円・40代会社員…「贅沢はしていないが、生活苦」

AI要約

日本人の老後の不安を抱えながら暮らす一家の実態が描かれている。父親の年収や家計状況、子供への教育費、親からの援助などが語られており、生活の厳しさが浮かび上がる。

父親は450万円の年収で家庭を支え、35年ローンで購入した一軒家の返済に苦しんでいる。業績の悪化や収入の見込みの薄さから、将来への不安が大きく背負っている。

子供の教育費が思ったよりもかさむことに驚き、公立学校でも負担が大きいことを実感している。親からのわずかな援助でさえ、家計が立ち行かない現状が明らかになっている。

「どこまで落ちたらいいんですか?」年収450万円・40代会社員…「贅沢はしていないが、生活苦」

大学・大学院卒の日本人では、60歳前の平均生涯賃金は約2億4,000万円、年収にすると約600万円となる。また、国税庁の調査によると、給与所得のなかで正規社員の平均給与は523万ということだ(「令和4年分 民間給与実態統計調査」)。日本人は老後不安を直視しながら、どのように暮らしているのだろうか。

「年収450万円、手取りはおよそ360万円くらいです。妻1人、子2人を養っています。家は都内で、実家に近い中古の一軒家を30歳のとき35年ローンで買いました。3,500万円。今14年目ですが、まだ半分も終わってないかと思うと、泣きそうになります…。覚悟を決めてローンをくんだつもりでしたが、果てしなく長いです。会社の業績も悪く、収入アップは見込めないどころか、この先どうなるかと考えると、胃がキリキリと痛みます」

都内在住の見沢さん(仮名)の年収は450万円。正規社員の平均より少ない額だが、妻と子2人を養っている。中古ながら一軒家を購入したのは、実家の近くに、「買える額」の物件が売っていたからだそうだ。

「35年フルローンでしたが、賃貸で借りるよりも月の支払いは少なかった。ちょうど2人目の子ができた頃で、やる気に燃えていたというか、ちょっとハイになっていたのかもしれません。結婚と同じで、勢いがなきゃ買えませんよ家なんて。ただ……」

見沢さんの顔が一瞬曇る。

「子供の教育費のこととか、全く頭に入れてませんでしたね。全部公立で、一番安いところに入れたらいいだろうって。みんな普通に通わせているから、舐めてましたね。公立でもこんなにお金がかかるなんて。子供に使う金額を考えると、親からの援助なしでは、生活が成り立たない現状があります」

一体、いくら親からもらっているのだろうか。

「月5万円くらいです。高校生の長女、中学生の次女、それぞれの塾代にあてていますが、全然足りないですよ。でもこの5万円がないと、パンクします、おそらく。食費は月6万円を目標に切り詰めていますし、自分の小遣いもありません。妻はぎりぎり扶養に入るくらいを目指してパートで働いていますが、やはり余裕とはほど遠い生活です」