今年も〝月見商戦〟始まる ピザやスイーツなど多彩

AI要約

飲食チェーンや洋菓子メーカーが月見商戦を活発化させ、卵メニューを売り込んでいる。業務筋の需要高まりに伴い、鶏卵相場が上昇傾向にあり、月見メニューによる外食需要の拡大が見込まれている。

ハンバーガーショップやピザチェーンが充実した月見メニューを展開し、家飲み需要にも対応している。洋菓子メーカーも卵を使ったスイーツで需要に応えている。

鶏卵の卸値が上昇し、過去5年間で高い水準に達している。今後も相場は強含みで推移する見通しである。

今年も〝月見商戦〟始まる ピザやスイーツなど多彩

 月見商戦が活発化し、飲食チェーンや洋菓子メーカーが卵メニューを売り込んでいる。定番のハンバーガーに加え、昨年の好調な売れ行きを受けたピザチェーンが充実したメニューを展開する。月やウサギを表したスイーツなども盛り上がりを見せる。業務筋の需要高まりを受けて、高値にある鶏卵相場がもう一段上げる気配だ。

 ハンバーガーショップを展開するガネーシャは「月見バーガー」(チーズ入り1880円)を売り込む。和牛のすね肉を使用した食べ応えのあるパティに、とろり溶ける半熟卵を合わせる。埼玉産の卵を使用しており「餌にこだわった雑味の少ない濃厚な黄身と、うま味が凝縮したパティとの相性を楽しんで」とアピールする。

 家飲み需要の拡大を背景に宅配や持ち帰りチェーンも幅広いメニューをそろえる。ドミノ・ピザは4種類のピザが1枚で味わえる人気メニュー「月見クワトロ」を昨年の5倍以上の食材量で販売を拡大する。味は「クリーミーたまご&ベーコン」「クリーミーたまご&4種のきのこ」「てりチキたまご」、ビーフパティを満遍なく広げた「月見バーガーピザ」の4種を用意。宅配でMサイズ4480円から。気軽に1人で月見を楽しめ、サイドメニューをセットにしたコンパクトサイズの「ピザBENTO」(持ち帰り990円~)の販売も強化する。

 スイーツとしての需要も高まっている。洋菓子大手のモロゾフは卵を満月に見立てた「お月見プリン」(411円)、「お月見デンマーククリームチーズ」(直径17センチ、1296円)などを販売する。

 需要期に入り、鶏卵の卸値は上昇傾向にある。建値となるJA全農たまごのM級基準値(東京)の月別価格を見ると、9月は1キロ248円(9日時点)となり、過去5年間では高騰した昨年に次ぐ水準。今後も、「月見メニューによる外食需要の拡大で、相場が強含みで推移する」(業界関係者)見通しだ。