〔NY外為〕円、142円台前半(11日朝)

AI要約

ニューヨーク外国為替市場では、円相場の動きが緩やかになり、米消費者物価指数の結果が市場を牽引している。

市場では、物価の伸びが予想を下回ったことから長期金利が上昇し、ドル買いが強まっている。

米大統領選候補者討論会や日銀の中川審議委員の発言も円相場に影響を与えている。

 【ニューヨーク時事】11日午前のニューヨーク外国為替市場では、米消費者物価指数(CPI)の発表を受けて円買い・ドル売りの流れが一服し、円相場は1ドル=142円台前半で推移している。午前9時現在は142円30~40銭と、前日午後5時(142円42~52銭)比12銭の円高・ドル安。

 米労働省が朝方発表した8月のCPIの上昇率は前年同月比2.5%と、市場予想(2.6%上昇)を下回ったほか、伸び率は5カ月連続で縮小した。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比3.2%上昇で、伸び率は前月と変わらずとなった。

市場では期待したほど物価の減速が進んでいないと見る向きもあり、長期金利が大幅上昇。

金利上昇を受けドル買いが強まり、それまで上昇していた円は上げ幅を縮小した。ただ、その後はおおむね落ち着いた値動きとなっている。

 海外市場では、前日の米大統領選候補者討論会で共和党のトランプ氏が劣勢との見方が台頭したほか、日銀の中川審議委員が講演で利上げに積極的な姿勢を示唆したとの見方から円買い・ドル売りが強まり、一時8カ月半ぶりとなる140円台まで急騰していた。

 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1010~1020ドル(前日午後5時は1.1015~1025ドル)、対円では同156円70~80銭(同156円86~96銭)と、16銭の円高・ユーロ安。