最古参は「サンライズ」と同期!? ずーっと造り続けてるJR特急車 「最新型」はやっぱり違った!

AI要約

キハ261系はJR北海道の主力特急形気動車で、最も製造期間の長い車両である。

特急高速化のために製造された0番台と、特急「スーパー北斗」置き換え用に製造された1000番台が存在する。

最新の5000番台は、観光輸送や臨時列車に利用できる多目的特急車両として登場し、国や北海道の補助金支援を受けて製造された。

5000番台は「はまなす編成」「ラベンダー編成」と命名され、グリーン車の代わりに「はまなす(ラベンダー)ラウンジ」が設置された内装になっている。

座席や内装の改良を行い、快適性や利便性が向上している。

最古参は「サンライズ」と同期!? ずーっと造り続けてるJR特急車 「最新型」はやっぱり違った!

 JR北海道の主力特急形気動車であるキハ261系。実は全国的に見ても、JR化後の特急形車両で最も製造期間の長い車両です。最初のグループである0番台は、1998(平成10)年から2001(平成13)年にかけ製造されました。1998年といえば、後継車両が登場するか心配されている、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」の285系電車と同世代ということになります。

 0番台は宗谷本線の特急高速化のために製造され、特急形としては初めて空気ばね台車を使った、コストパフォーマンスに優れる車体傾斜を実現しました。最高速度は130km/h。旭川~名寄間の線路改良も実施した結果、それまでの急行「宗谷」から52分も退縮した4時間58分で、札幌~稚内間を結びました。

 そして2006(平成18)年より、789系電車を元に製造されたのが1000番台で、特急「スーパーとかち」の置き換え用に開発されました。ただ2011(平成23)年に石勝線脱線火災事故が起こったことで、より高速化を狙ったキハ285系が開発中止となり、1000番台は2015(平成27)年度から函館発着の「スーパー北斗」置き換え用としても増備されました。

 7次車まで製造されたキハ261系の最終ロットは、2022年製造。実に24年間も断続的に製造されたことになります。中でも異彩を放つのが、2020年に10両のみ製造された5000番台です。

 キハ261系5000番台は、それまでの「ジョイフルトレイン」と呼ばれる観光・団体用車両に代わり、定期特急の代替輸送や繁忙期の臨時列車などにも使える「多目的特急車両」として登場しました。また、宗谷本線特急の0番台がわずか14両しか製造されていないため、その予備車を確保する意味もありました。

 5000番台は第1編成が「はまなす編成」、第2編成が「ラベンダー編成」と命名されました。なお、製造にあたっては国や北海道から補助金支援を受けています。観光輸送も考慮し、1000番台第7次車とは差別化が図られ、先頭車両には「はまなす」「ラベンダー」の花があしらわれました。

 グリーン車は設置されず、「はまなす(ラベンダー)ラウンジ」と呼ばれるフリースペース車が連結されています。グリーン車と同じく小窓が並ぶ車体ですが、壁面や絨毯が木目調の内装で、窓向き座席や向かい合わせで、大型テーブルを備えました。

 普通車も7次車と比較して、座席を柔らか目にするため、背もたれを二重構造とし、座布団にも伝統的なSバネを採用して、クッション性を高めています。

 中間ひじ掛けにもコンセント2つとテーブルが内蔵され、座席を向かい合わせにしても便利です。なお、車販準備室がカウンター式になっていたり、多目的室が掘りごたつになっていたりといった変更もあります。