誰も住んでいない実家。なかなか帰れないので「放置」してしまっていますが、このままだとどうなりますか?

AI要約

空き家問題が地方から都市部にも広がりつつある。

空き家の定義や判断基準は法律で定められている。

空き家の実態調査が重要であり、放置はリスクを招く。

誰も住んでいない実家。なかなか帰れないので「放置」してしまっていますが、このままだとどうなりますか?

親がすでに他界している、または転居しているといった理由で、実家が空き家になる人もいるでしょう。土地や建物の価値が低い、清掃や片付けが追い付いていない状態であれば、誰かに売却するのは難しいかもしれません。

そこで、実家をそのまま放置した場合、どのくらいの期間が過ぎれば空き家と見なされるのか分からない人もいることでしょう。法律などで具体的な定義があるのならば、確認しておきたいところです。

本記事では、空き家の判断基準や放置することで起こり得るリスクなどを解説します。

これまで、空き家問題は人口が減少する傾向にある地方の過疎地での問題点でした。

しかし、近年は政令指定都市や県庁所在地でも空き家が急増しています。空き家が急増する原因として考えられるのは、団塊世代の平均寿命超過、相続問題の発生によるものとされています。

どんな状態になると空き家と判断されるのかは、「空家等対策の推進に関する特別措置法」にて確認できます。空き家等対策の推進に関する特別措置法の第二条では空き家の定義を「建築物または附属する工作物」「居住その他の使用がなされていないことが常態であるものとその敷地」と定めています。

具体的には、1年以上誰も住んでいない、使用していない状態の住宅を空き家と判断される可能性が高いです。1年以上誰も住んでいなくても、定期的に人が出入りして清掃が行われている、電気・ガス・水道などが使用されていれば空き家に指定されません。

一方、築年数の浅くてきれいな住宅でも、人の出入りが確認されず、電気やガス、水道などが使えなければ空き家に指定されてしまう可能性があります。

■空き家の実態調査が行われている

「空き家になっている事実を把握されることはないだろう」と考えないようにしましょう。各自治体にて、空き家の実態調査を実施しています。定期的に人の出入りがあるのか、電気・ガス・水道などが使われているのかといったもの以外の調査基準は以下のとおりです。

・建築物などの用途が空き家に該当するか

・住宅の登記記録と所有者の住民票の内容に不備や相違がないか

・倒壊の危険性はないか

・衛生上有害となる恐れはないか

・建物や敷地が適切に管理されているか

・所有者への聞き取り調査

調査を実施した際に、ポストに郵便物がたまっている、ゴミが不法投棄されていることが確認できた場合も空き家と判断される可能性が高まるでしょう。誰かが出入りして掃除や管理をしていれば、これらのことは起こらないからです。

また、建物がある敷地も空き家の判断対象となり、庭と庭に生えている木といった土地に定着するものも含まれます。