米50bp利下げの行方、雇用統計が左右へ-市場は大幅変動に身構え

AI要約

米国の雇用統計が予想外の結果になる可能性がある9月のFOMC会合が注目されている。

市場では利下げ幅に関する予想が割れており、25bpと50bpの利下げが議論されている。

労働市場の動向が今後の利下げに影響を与える可能性が高まっており、市場は注視している。

米50bp利下げの行方、雇用統計が左右へ-市場は大幅変動に身構え

(ブルームバーグ): 9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが行われるとのJPモルガン・チェースやシティグループによる大胆な見立ては、6日発表の8月雇用統計で最大の正念場を迎える。

金利スワップ市場は現在、17-18日開催のFOMC会合での大幅利下げを約35%の確率で織り込んでいる。だが、トレーダーの間では25bpの利下げ予想が優勢で、エコノミストも引き続き25bp利下げを有力視している。利下げ幅を巡り予想が割れていることで、雇用統計の発表前後に米国債市場が大きく変動する可能性が高まっている。先月は、7月の雇用統計が予想外に弱い内容となり、市場は大荒れとなった。

ドイツ銀行の米金利分析責任者、マシュー・ラスキン氏は「週内に解決されそうな大きな不確定要素がある」と指摘。

市場が織り込む予想がどちらか一方に決定的にシフトした場合、25bp利下げを見込んだ取引は「少し利益を得るか、大きく損するか。50bp利下げを見込んでいたなら、その逆になる」と述べた。

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、利下げの時期やペースを見極める上で、労働市場を重視する姿勢を鮮明にしている。4日発表の求人件数が弱い内容となったのに続き、5日発表のADP民間雇用者数も伸びが市場に届かず、市場では大幅利下げ観測が強まった。

雇用統計発表の翌日から、米金融当局者はFOMC会合を控え、政策に関して発言を控えるブラックアウト期間に入る。

ドイツ銀行によると、過去15年間において、ブラックアウト期間開始時点でスワップ市場が織り込む予想と、金融当局者による実際の政策決定の間には通常、3bpの開きしか存在しない。この経験則に基づくと、雇用統計が明らかに25bp、または50bpの利下げを裏付ける内容となった場合、現在約34bpの緩和を織り込んでいるスワップ市場では、少なくとも28bpまで予想利下げ幅が縮小するか、およそ47bpまで拡大するか、上下に大きく変動する計算になる。