米政権、安保上の懸念理由に「待った」か 日鉄のUSスチール買収案

AI要約

バイデン大統領が日本製鉄によるUSスチール買収計画を阻止する見通し。対米外国投資委員会が国家安全保障上の懸念を示し、異例の展開に。

日鉄は140億ドルでの買収合意を発表。CFIUSが合意に対し打撃を与えると指摘し、ホワイトハウス高官は現時点で勧告なし。

米政権、安保上の懸念理由に「待った」か 日鉄のUSスチール買収案

 日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画に対し、バイデン米大統領が正式に「阻止」を表明する見通しになった。米政府の審査機関が近く示す「国家安全保障上の懸念」が理由になるとみられる。買収計画は11月の大統領選でも焦点となっており、民間企業同士の合意に現職大統領が「待った」をかける異例の展開になりそうだ。

 米欧の主要メディアが4日、相次いで報じた。ロイター通信はバイデン氏が週内にも「阻止」を表明すると伝えた。

 日鉄は昨年12月、約140億ドル(約2兆円)でUSスチールを買収することで同社と合意したと発表。外資企業による米企業の買収案を調べる対米外国投資委員会(CFIUS)が審査に入っていた。

 ロイターによると、CFIUSは日鉄にあてた8月31日付の書簡で、買収は「米国の鉄鋼生産に打撃を与える」などと指摘し、安保上のリスクになると伝えたという。一方、ホワイトハウス高官は4日、朝日新聞の取材に「CFIUSはまだ大統領に勧告を出していない」とした。