ボーイング、中国への737MAX納入が増加-新CEOに追い風

AI要約

米ボーイングは8月に主力旅客機737MAXの中国への納入を増やし、月間ベースで最多となった。

中国への737MAXの納入が増加し、在庫削減に貢献する見込み。

ボーイングが工場操業の安定化に注力する中、株価は苦戦。

ボーイング、中国への737MAX納入が増加-新CEOに追い風

(ブルームバーグ): 米ボーイングは8月に主力旅客機737MAXの中国への納入を増やし、月間ベースでここ約6年で最多となった。在庫削減と手元資金拡充に取り組むケリー・オートバーグ新最高経営責任者(CEO)にとって安心材料となった。

航空データ分析会社シリウムのデータによると、8月の中国への同機の納入は推定9機と、2018年12月以来最多。

インドネシアとエチオピアでの737MAX8墜落事故を受け、世界の航空当局は19年3月に737MAXの運航を停止。長引く運航停止と新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、MAXの在庫は20年終盤までに約450機に膨らんだ。

シリウムのコンサルティング責任者、ロブ・モリス氏は「ボーイングが8月の中国顧客への納入ペースを維持できれば、在庫の削減に大きく寄与するだろう」と指摘した。

今年1月に起きた飛行中に機体の一部が吹き飛ぶ事故で在庫縮小の取り組みは遅れている。また、シアトル近郊の工場でストライキが起こる可能性があるため、最近の進展も滞る可能性がある。それでも中国への納入が増えれば同社の財務改善に寄与し、オートバーグCEOは工場の操業安定化に集中して取り組むことができる。

ボーイングの広報担当者は10日に予定している8月の受注・納入実績公表を前に、コメントを控えた。

ボーイングの株価は3日、ウェルズ・ファーゴのアナリストが同社株の投資判断を「イコールウエート」から「アンダーウエート」に引き下げたことが材料視され、一時約2年ぶりの安値を付けた。

原題:Boeing Steps Up 737 Deliveries to China in Respite for New CEO(抜粋)

--取材協力:Julie Johnsson、Jinshan Hong.

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