ダウ626ドル安、「9月相場」を警戒 エヌビディア急落 米国株式市場

AI要約

米国株式市場は3指数とも大幅下落して取引を終えた。経済指標で米製造業の活動が低迷し、9月の株価パフォーマンスも悪い可能性が警戒されている。

ISMが発表した8月の製造業景気指数は上昇したが、依然として低調な状況が続いており、市場心理に影響を与えた。

米連邦準備理事会(FRB)は非農業部門雇用者数を注視し、利下げの可能性が高まっている。ハイテク株も影響を受けている。

ダウ626ドル安、「9月相場」を警戒 エヌビディア急落 米国株式市場

米国株式市場は3指数とも大幅下落して取引を終えた。この日発表された経済指標で米製造業の活動は当面低迷が続く公算が大きいことが示唆され、市場心理を圧迫した。9月は歴史的にみて株価パフォーマンスが悪いことも警戒されている。

ダウは1.51%、S&Pは2.12%、ハイテク株中心のナスダックは3.26%安で引けた。

米供給管理協会(ISM)が3日に発表した8月の製造業景気指数は前月に比べ上昇したものの、製造業が依然として低調であることが示されたため、市場心理が悪化した。

シムコープ社の投資決定リサーチ部門の担当者はこう話す。

シムコープ社 メリッサ・ブラウンさん

「ISMの指数は少々期待外れで、以前よりも緩やかな景気後退(ソフトランディング)や、景気後退に近づいていることを示唆しているかもしれない。FRB(米連邦準備理事会)がデータに大きく依存していることは周知の事実なので、おそらく彼らはこの特定のデータに注目するだろう」

FRBは6日発表の非農業部門雇用者数も注視するだろう。CMEグループのフェドウォッチツールによると、FRBが今月下旬に25bpの利下げを行う確率は60%以上。市場は50bpの利下げの可能性を40%未満とみている。

今年の株価上昇を牽引してきた巨大ハイテク7銘柄「マグニフィセント・セブン」が3日下落。市場のAIに対する楽観的な見方が弱まったため、エヌビディアの株価は10%近く下げた。

取引終了後ブルームバーグは、米司法省がエヌビディアに文書提出命令状を送付し、同社に対する反トラスト法(独占禁止法)調査を本格化させたと報じた。

電気自動車メーカーのテスラは、クロスオーバーSUVの6人乗りモデルを2025年後半から中国で生産する計画だとロイターが報じたことを受け、1.6%下落した。

ボーイングは7.3%下落。ウェルズ・ファーゴが投資判断を「イコール・ウェイト」から「アンダーウェイト」に引き下げたことを嫌気した。