インド製造業PMI、8月は57.5 3カ月ぶり低水準
8月のインド製造業購買担当者景気指数が3カ月ぶりの低水準となった。
需要は鈍化しているが底堅い状態であり、海外受注は力強く拡大している。
産出価格の上昇率が高水準である中、企業の楽観論が続き雇用も増加している。
HSBCのチーフエコノミストによると、競争が生産・新規受注の鈍化の理由となっている。
産出価格の上昇ペースは鈍化しているが、企業の利益率は拡大している。
1年先の見通しは低水準だが依然として良好であり、インフレと競争が懸念要因となっている。
Shaloo Shrivastava
[ベンガルール 2日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめた8月のインド製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は57.5と、3カ月ぶりの低水準だった。需要が大幅に鈍化した。
速報値は57.9、7月は58.1だった。好不況の分かれ目となる50は2021年7月以降、上回っている。
需要は鈍化しているものの、依然として底堅い。生産指数と新規受注指数はともに7カ月ぶりの低水準。海外受注の伸びは1月以来の低水準だったが、引き続き力強く拡大している。
HSBCのインド担当チーフエコノミスト、プランジュル・ハンダリ氏によると、一部の企業は激しい競争を生産・新規受注鈍化の理由に挙げている。
コスト圧力は今年3月以来の低水準だったが、産出価格の上昇率は7月に記録した約11年ぶりの高水準付近。需要が底堅く、顧客への価格転嫁が容易になっていることが背景。
同氏は「産出価格の上昇ペースは投入価格に沿って鈍化しているものの、鈍化のペースははるかに遅く、メーカーの利益率が拡大している」と述べた。
底堅い需要と企業の楽観論を背景に雇用は6カ月連続で増加。ただ増加ペースは2カ月連続で鈍化した。
1年先の見通しは16カ月ぶり低水準だったものの、依然良好。インフレと競争に対する懸念が圧迫要因となった。