1万ドル未満の中国製EVが疾走…フォルクスワーゲンがドイツ工場の閉鎖を検討(2)

AI要約

中国製電気自動車が市場で価格競争力を持ち、関税を考慮しても消費者に魅力的な価格帯で提供されている。さらに中国メーカーは関税障壁を超えるために現地生産基地を構築しており、需要の増加が見込まれる。

一方、米国・韓国の自動車メーカーは電気自動車戦略を再検討しており、発売計画を延期したり、生産戩を変更したりしている。トヨタは電気自動車に保守的だったが、ハイブリッドカーに焦点を当てる戦略が成功している。

自動車業界では、電気自動車とハイブリッドカーの競争が激化しており、各メーカーが新たな戦略を模索している。

BYDの最低価格の電気自動車は9700ドル(約141万円)にすぎない。GMと中国上海自動車(SAIC)の合弁会社五菱(ウーリン)が6月に発売した「2024ビンゴEV」は8000ドルで市場最低価格水準だ。関税を考慮しても消費者に魅力的な価格になるほかない。EUは2035年から内燃機関自動車の新規販売を全面禁止する予定のため、安い中国製電気自動車需要は増加が続くものとみられる。大徳(テドク)大学自動車学科のイ・ホグン教授は「中国の電気自動車メーカーが欧州より人件費が安い中国で集中生産しているだけに、今後欧州市場で価格競争力を前面に出した中国製電気自動車の割合はさらに高まるだろう」と話した。

その上に、中国製電気自動車メーカーは関税障壁を超えるために現地生産基地を早く用意している。BYD、奇瑞自動車、吉利自動車、Zeekrなどが欧州だけでなく東南アジアや南米にも生産基地を構築中だ。

◇米国・韓国の自動車メーカーも戦略修正

米国と韓国の主要自動車メーカーも電気自動車戦略を全面再検討している。GMは先月23日の業績発表とともに今年計画していた「ビュイック」の電気自動車モデル発売を延期すると明らかにした。具体的な発売日程は明らかにしていない。このほかミシガン州の工場で生産する電気自動車モデルのシボレー「シルバラードEV」、GMC「シエラ」EVピックアップトラックの生産時期を来年末から2026年中盤に遅らせるなど速度調節に入った。GMは最近LGエナジーソリューションと合弁でミシガン州に設立する電気自動車バッテリー工場建設も一時中断した。

フォードもやはり電気自動車発売計画を修正中だ。次世代電気ピックアップトラック発売は来年から2026年に延期した。大型SUV電気自動車生産計画は中止した。先月18日には電気自動車を生産する予定だったカナダのオンタリオ州工場を内燃機関ピックアップトラック生産用に転換すると明らかにした。

現代自動車グループも電気自動車生産戦略の速度調節をしている。現代自動車は米ジョージア州で現在試験稼動している現代自動車グループメタプラントアメリカ(HMGMA)で当分電気自動車だけでなく米国内で需要が大きく増加しているハイブリッドカーをともに生産する計画だ。現代自動車の張在勲(チャン・ジェフン)社長は先月28日の投資家向け説明会で「ハイブリッドカーを大幅に拡大する計画」としながら、米ジョージアでもハイブリッドカーを生産する予定」と話した。

これに対し電気自動車転換に保守的だったトヨタは4-6月期に過去最大の実績を記録した。営業利益は前年同期比17%増加した1兆3084億円、売り上げは12%増えた11兆8378億円と集計された。電気自動車よりハイブリッドカーに集中したトヨタの戦略が有効だったという評価が出ている理由だ。