60歳になったら要注意!「退職金詐欺」の手口あるあるとは? 被害に遭わないためのポイントも解説

AI要約

定年退職金を狙った特殊詐欺が増加している。

退職金の平均支給額は高額で、被害が大きい。

退職金詐欺の手口には、電話詐欺や儲け話などさまざまな方法がある。

60歳になったら要注意!「退職金詐欺」の手口あるあるとは? 被害に遭わないためのポイントも解説

早い人では60歳くらいから受け取り始める「定年退職金」。人によっては1000万円以上の大金を受け取ることになりますが、仕事人生の集大成ともいえるお金が特殊詐欺グループに狙われるケースが発生しています。

自分の大切な財産を守るためにも、退職金詐欺の手口や対策法を知っておきましょう。本記事では退職金詐欺の概要や代表的な手口、被害に遭わないための対策を解説します。

退職金詐欺とは文字通り、会社員が退職時に受け取る「退職金」を狙った特殊詐欺のことです。

特殊詐欺とは、公共機関や企業、親族などを名乗って現金をだまし取ったり、犯人の口座に現金を振り込ませたりする詐欺の手口を指します。有名なところでは「オレオレ詐欺」が知られていますが、退職金も特殊詐欺の被害を受ける可能性があります。

退職金の支給額は人によって異なるものの、定年まで同じ会社で勤め上げた人であれば1000万円以上の高額になることも少なくありません。退職金詐欺の被害に遭うと、老後生活に多大な影響を及ぼすことは間違いないでしょう。

■退職金の平均支給額は1896円

厚生労働省の令和5年就労条件総合調査によれば、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の会社員の退職金の平均は「1896万円」です。

平成30年の同調査と比較すると、退職金の額は減少傾向にあるのが実情ですが、それでも平均では2000万円近い金額を一度に受け取ることになります。

退職金詐欺の被害に遭うとこれだけの金額を一気に失う可能性があり、最悪の場合は取り戻すことができません。老後の人生設計にも大きく影響するため、退職金詐欺の手口を知って被害に遭わないようにすることが重要です。

ひとくちに退職金詐欺といっても、その手口は実にさまざまです。沖縄県警によると、同県での退職金被害に遭った事例としては以下のようなものがあります。

事例1

70代女性は、電話で、「以前、投資で被害にあったお金が取り戻せる。」などと話しを持ちかけられ数回に渡りレターパックや小包で現金を郵送し被害総額1500万円の被害にあった。

事例2

50代女性は、電話で、「ロト6の2等に当選する会員にならないか。当選番号を事前に教える。」などと話しを持ちかけられ、数十回にわたり現金を振り込み被害総額約790万円の被害にあった。

事例3

70代女性は、電話で、「外国紙幣を購入すれば、日本円と交換した際に利益が出る。」と話しを持ちかけられ、数十回にわたり現金を振り込んだ。

以上、3つの事例では「電話がかかってくること」と「損を取り戻せたり利益を出せたりするといった甘い誘惑を口にする」という点が共通しています。

話の内容は異なりますが、オレオレ詐欺のような他の特殊詐欺の犯行手口と基本的には同じです。

またこうした儲け話のほかに、他県では警察の捜査員を名乗る人物から「不正利用から守るために口座のお金を別の口座に移してください」という内容の電話がかかってきた事例もあります。

あるいは、SNSなどを通じて異性からDM(ダイレクトメッセージ)が届いて、やりとりをしているうちに信頼してしまい、言われるがまま現金を振り込んでしまう「ロマンス詐欺」と呼ばれる手口もあります。