短観で賃金把握検討 日銀が予備調査、9月から

AI要約

日銀は、賃上げ率の実績や見通しに関する調査項目を新設するため、予備調査を実施することを発表。

物価への影響を考慮し、賃金動向を正確に把握して金融政策に活用したい考え。

2025年後半以降に方針を公表し、幅広い対象の賃金動向を把握するために新しい調査項目の導入を検討中。

 日銀は27日、全国企業短期経済観測調査(短観)で賃上げ率の実績や見通しなど賃金動向に関する調査項目の新設を検討するため、9月短観以降、対象企業の一部に予備調査を実施すると発表した。

 物価に影響を及ぼす賃金動向を正確に把握し、金融政策運営に役立てたい考え。

 予備調査の結果などを考慮し、新設する方向が固まれば2025年後半以降に方針を公表。意見公募の上、詳細を決定する。

 賃金については、厚生労働省の毎月勤労統計や連合の春闘賃上げ率などの調査がある。日銀は短観でも調べることで、大企業のほか労働組合を持たない中小企業も含め幅広い対象の賃金動向を把握できるとしている。他の統計にはない賃金の先行きを調査することも検討する。

 予備調査は9月短観から25年6月短観までで、回数は未定。対象企業約9000社のうち1500社程度に対し実施し、適切な設問形式などを探る。日銀は、新設が決まってもシステム更新などが必要なため、「実現するとしても数年先になる」(調査統計局)と説明している。