〔東京外為〕ドル、146円台前半=米金利上昇で水準切り上げ(23日午前9時)

AI要約

23日朝の東京外国為替市場でドルの対円相場が上昇し、146円22~22銭で推移。市場は日銀の金利政策に注目。

米長期金利の動向やFRB高官の発言により、ドル円相場が変動。植田総裁の姿勢も市場影響。

ユーロは対円で上昇、対ドルは下落している。

 23日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米長期金利上昇を受けて、1ドル=146円台前半に水準を切り上げた。午前9時現在は、146円22~22銭と前日(午後5時、145円27~28銭)比95銭のドル高・円安。

 前日の米国時間の序盤は、FRB高官のタカ派発言などで米長期金利が上昇し、146円50銭台へ水準を切り上げた。中盤は、長期金利の上昇一服で、145円80銭台に下落。終盤は、長期金利が持ち直したため、いったん146円50銭台に浮上したが、その後は主要株価指数の軟調などで146円20銭台へ軟化した。

 23日の東京早朝は売りが先行し、146円10銭台で推移。午前8時半に発表された8月のコアCPI上昇率は前年同月比2.7%と市場予想と一致し、ドル円の反応は乏しかった。

 日銀の植田総裁は午前9時半から、国会の閉会中審査に出席する。植田総裁は追加利上げを決めた7月末の金融政策決定会合後の記者会見で、政策金利について「0.5%を特に壁と意識しない」などと、一段の利上げに前向きな姿勢を示した。これを受けて、市場は株価暴落、円急騰と大きく混乱。その後、内田副総裁は「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と、火消しに追われた。市場ではボラティリティの高い状態が続いているため、植田総裁は「利上げの方向性は変わらないものの、データを見ながらゆっくり進める姿勢を示すのでは」(FX会社)と、ハト派的になるとの見方が多い。市場の見立て通りとなれば、円安・株高が進む可能性がある。

 ユーロは対円で上昇、対ドルは下落。午前9時は、1ユーロ=162円53~55銭(前日午後5時、161円80~82銭)、対ドルでは1.1116~1116ドル(同1.1137~1139ドル)。