米総合PMI、8月は54.1とやや低下 製造業が8カ月ぶり低水準

AI要約

米国の8月の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値はやや低下し、製造業の低迷やインフレ下降傾向が続く可能性が高まった。

製造業PMIが低下し、サービス業PMIがやや上昇したことが示され、消費者への価格転嫁が依然として難しい状況であることが強調された。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスの分析では、景気は底堅さを維持し、景気後退懸念の和らぎやインフレの正常化が示唆されており、雇用には弱まりの兆候が見られる。

米総合PMI、8月は54.1とやや低下 製造業が8カ月ぶり低水準

[22日 ロイター] - 米S&Pグローバルが22日発表した8月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.1と、7月の54.3からやや低下した。向こう数カ月にわたりインフレ下降傾向が続く可能性が高まった。

PMIは50が拡大と縮小の節目となっている。サービス業がやや上昇したものの、製造業が低下し、総合では4カ月ぶりの低水準となった。企業にとって消費者への価格転嫁が依然として容易でないことも示された。

製造業PMIは48.0と、前月の49.6から低下し、8カ月ぶりの低水準となった。ロイターがまとめた市場予想は横ばいだった。

サービス業PMIは55.2と、前月の55.0からやや上昇した。市場予想は54.0だった。

8月の総合の新規受注指数は52.3と、前月の52.2からやや上昇。投入価格指数は58.0で横ばいだったものの、販売価格に関する指数は52.8と前月の53.1から低下した。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「8月も底堅さが見られ、第3・四半期の国内総生産(GDP)の伸びが年率換算で2%を超えることを示唆している。短期的に高まっていた景気後退(リセッション)懸念を和らげるものだ」とし、「同様に販売価格が新型コロナ禍前の平均に近い水準まで低下したことは、インフレの 『正常化』を示すもので、金利引き下げを後押しする」と指摘した。

このほか、雇用は弱まりを見せた。サービス業が減少し、製造業での上昇幅は1月以来の小ささだった。