高速船の浸水隠し、親会社のJR九州社長「おわび」 第三者委設置へ

AI要約

JR九州高速船が、博多港と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」の浸水を隠して3カ月以上運航を続けた問題で、親会社であるJR九州の古宮洋二社長が陳謝し、第三者委員会を設置すると述べた。

古宮社長は「安全意識が低かった」と認め、原因究明や再発防止に取り組む考えを示した。

浸水問題では、JR九州高速船が国に報告せず運航を継続し、警報センサーを操作していたことが判明。古宮社長は「危険な判断だった」と反省している。

高速船の浸水隠し、親会社のJR九州社長「おわび」 第三者委設置へ

 JR九州高速船(福岡市)が、博多港(福岡市)と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」の浸水を隠して3カ月以上運航を続けた問題で、親会社であるJR九州の古宮洋二社長は22日の定例記者会見で「信頼を裏切ることになり、おわびします」と陳謝した。外部識者でつくる第三者委員会を設置するとし、原因究明や再発防止に取り組むという。

 問題発覚後、初めて会見に臨んだ古宮社長は「安全意識が低かった」と頭を下げた。その上で「原因が究明された時点でJRグループの最終責任者としてどうすべきか考えたい」と述べた。

 この問題を巡っては、JR九州高速船が今年2月に浸水を確認したものの、5月に浸水量が増加するまで国に報告せずに運航を継続。この間、当時の社長の指示で航海日誌などに「異常無し」とうその記載をし、浸水量が増えた5月には警報が鳴らないよう警報センサーをずらしていたことも国の臨時監査で発覚した。古宮社長は「危険な判断だった」と振り返り、親会社として現場社員への聞き取りを進めていることを明らかにした。

 第三者委は船舶の運航や企業統治に詳しい専門家などで構成する予定。高速船の運航再開については「国の監査や第三者委の結論、社員の安全意識の向上、二度と浸水が起こらないような対策を踏まえた上での最終的な判断になる」とし、現時点では未定とした。【下原知広、久野洋】