【冒頭発言】クイーンビートルの「浸水隠し」原因究明のため第三者委員会の設置を検討 JR九州の古宮社長が定例会見で謝罪「安全を無視して運航」 福岡

AI要約

高速船「クイーンビートル」が浸水による亀裂を隠して4か月間運航し、国の抜き打ち監査で発覚した問題についてJR九州の古宮社長が謝罪。

浸水が見つかった際、修理や報告を怠り、警報センサーをずらしたりウソの記載をするなどの隠蔽行為が明らかになった。

現在は原因究明や対策を進め、第三者委員会の設置を検討中。運航を続けた経緯については元社長が指示を出したとしている。

【冒頭発言】クイーンビートルの「浸水隠し」原因究明のため第三者委員会の設置を検討 JR九州の古宮社長が定例会見で謝罪「安全を無視して運航」 福岡

博多と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」が亀裂による浸水を隠し、4か月間、運航を続けていた問題です。運航する「JR九州高速船」の親会社のJR九州の古宮社長が22日午後、定例会見で謝罪しました。

この問題は、2024年2月、クイーンビートルに浸水が見つかったのに、修理や検査、国への報告をせず、およそ4か月、運航を続けていたものです。

その間、航海日誌に「異常なし」とウソの記載をしたり、浸水警報が頻繁に鳴らないよう、船底から44センチのところにあった警報センサーを、船底から1メートルの高さにずらしたりしていました。8月、国の抜き打ち監査で発覚しました。

クイーンビートルは13日から運休しています。

22日午後2時からの定例会見の冒頭、JR九州高速船の親会社のJR九州の古宮社長は「安全を無視して船を運航した。ゼロから安全を立て直して皆様の信頼回復に努めて参ります。このたびは申し訳ございませんでした」と謝罪しました。

現在、原因究明に努めているとして、上層部へのヒアリングが終わり、今は高速船の社員全員へのヒアリングをしていて、結果の公表にはもう少し時間がかかると説明しました。

その上で、外部の視点からの原因究明や対策の評価をしてもらうとして、第三者委員会の設置をする方向で検討していると述べました。

JR九州高速船の組織や人事については検討中だとしました。

2月に浸水を確認した際に、九州運輸局に報告せず運航を続けたことについて、JR九州は、当時のJR九州高速船の社長で現在は取締役に降格した田中渉氏(56)が判断して指示をしたとしています。

JR九州とJR九州高速船は14日の時点で、問題の経緯について次のように説明しています。

■2023年

2月11日、船首区画の浸水警報が作動し、浸水を確認。12日、クラック(亀裂)を確認して応急措置をした後、JR九州高速船は九州運輸局とJR九州に報告しないまま、運行を継続。

14日、修理計画の説明のため九州運輸局を訪れた際、臨時検査が終わるまでの間の運航停止を指示され、同時にJR九州に報告。15日、海上保安庁に報告し、同じ日から国土交通省が監査を開始。

国交省から運航再開を承認されたのを受け、3月5日に運航を再開。