東京女子医大 岩本理事長解任 背景に「一強体制」 推薦入試や教員昇進は寄付金次第?

AI要約

東京女子医科大学の不透明な資金の流れが問題となり、創立者一族の岩本絹子理事長が解任されました。

第三者委員会の報告書によれば、岩本氏の『一強体制』が問題の背景にあったと指摘されています。

推薦入試での寄付金受け取りや面接試験の不正が判明し、岩本理事長の解任が決定されました。

東京女子医大 岩本理事長解任 背景に「一強体制」 推薦入試や教員昇進は寄付金次第?

創立120年を超える東京女子医科大学の不透明な資金の流れが問題となり、創立者一族の岩本絹子理事長が解任されました。

第三者委員会は、岩本前理事長の『一強体制』が問題の背景にあったと指摘しています。

東京女子医科大学は、新宿区にある私立大学で、女性のみに医学教育を行う国内唯一の医学部を持つ大学です。

2023年5月1日時点で、学生数は1363人、教職員や研修生は5735人です。

警視庁は3月に、特別背任の疑いで、当時理事長だった岩本絹子氏の自宅など、複数の関係先を家宅捜索しました。

岩本氏の側近は、勤務実態がないにもかかわらず、2020年~2022年にかけて、大学の同窓会組織『至誠会』から約2000万円の給与を不正に受け取っていた疑いがあります。

岩本氏の経歴です。

1973年に、東京女子医大を卒業。

1981年に、産婦人科医院を開設し、長年、開業医として働いてきました。

2013年に、同窓会組織『至誠会』の代表理事に就任。

2014年に、東京女子医大の副理事長になり、

2019年に、理事長に就任しました。

歴代の理事長は、これまで6人です。

2代目を除いて、6人中5人が創立者一族です。

東京女子医大は、4月に第三者委員会を設置して、8月2日に報告書を公表しました。

第三者委員会は、岩本氏の理事長としての適格性について、

「そもそも、医科大学と大学病院を擁する本法人の理事長としての適格性が備わっていたのか、疑問と言わざるを得ない」としています。

先週水曜日に、臨時理事会が開かれ、第三者委員会の報告書を受けて、岩本氏の理事長職解任を賛成多数で決定しました。

東京女子医大には、国からの補助金が出ています。

2023年度は、約20億円です。

理事長が解任された東京女子医大について、第三者委員会の報告書で判明した実態です。

東京女子医大の推薦入試は、2018年に、岩本氏らの主導で、親族に卒業生がいる受験生を対象に大学の同窓会組織『至誠会』の推薦枠を導入しました。

文部科学省は、私立大学の入学者選抜において、入学に関する寄付金などの受け取りを禁止すると定めています。

しかし、受験生側から至誠会や大学へ、2020年度~2023年度に合計5510万円の寄付があり、そのうち3520万円は、面接試験が行われるまでの2カ月の間に寄付されていました。

2019年に実施された推薦入試では、順位が7位だったAさんは、寄付の実績がなく、8位だったBさんは、700万円の寄付をしていました。

採点表には寄付の項目があり、Bさんの寄付の項目の点数が加点されたことで、AさんとBさんの順位が逆転しました。

結果的に、Aさんは推薦を受けられませんでした。

第三者委員会は、

「至誠会が受験生の推薦を行う際、寄付を考慮していたと認定せざるを得ない」と指摘しました。