年金だけで生活できない高齢者世帯は58.3%に増加…年金、増税、老老介護などお金の問題にどう対処すべきか
厚生労働省によると、65歳以上の人口は増加し、年金だけでは生活できない高齢者世帯が増加傾向にある。
貯蓄額や収支についての統計データに基づいて、65歳以上シニア世帯の状況が示されている。
貯蓄額には大きな差があり、二極化傾向が見られる。
厚生労働省によると、現在、65歳以上の人口は3500万人を超えており、2042年には約3900万人でピークを迎えると予想されています。
年金だけでは生活できない高齢者世帯が増えています。
物価高騰などを理由に2024年の秋ごろには、低所得者や年金生活世帯を対象に追加の給付金が支給される見込みとなっています。
今回は、65歳以上シニア世帯の貯蓄額や毎月の収支について、統計資料をもとにみていきます。
さらに増税問題や、65歳以上高齢者同士の介護が対象といわれる「老々介護」の対処法もあわせてお伝えします。
※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
厚生労働省「2023(令和5)年国民生活基礎調査の概況」より、年金だけで生活している高齢者世帯の割合をみていきましょう。
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%:41.7%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満:17.9%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満:13.9%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満:13.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満:9.3%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満:4.0%
公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のうち、年金だけで生活できない高齢者世帯は、全体の58.3%でした。
次の章では、世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄事情を確認していきましょう。
まずは、世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄額をみていきます。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、貯蓄額平均は2462万円、中央値は1604万円となりました。
・貯蓄額平均:2462万円
・貯蓄中央値:1604万円
ただし、上記の表をみると貯蓄額が100万円以下の世帯も多いことがわかります。
65歳以上は貯蓄を多くしている世帯と、貯蓄額が少ない世帯があるため二極化傾向にあるといえるでしょう。